1. 結論:重なり・追加の課題・使える時間の3つで見ます

先に結論を書いておくと、志望校の変更が間に合うかどうかは、残りの日数だけでは判断できません。変更先の過去問で、いまの対策を使える部分はどこか、新しく補う必要がある課題は何か、その課題に残りの時間で取り組めるか。この3つを確かめることが大切です。なかでも解き方の重なりは、見通しを立てるための大事な材料になります。重なりが大きければ積み上げを生かしやすく、小さければ、10月のいまでも組み直しに思ったより時間がかかることがある。

もう一つ、1回の模試の判定だけを理由に変更を決めないことも大切です。変えるかどうかを考える前に、いまの志望校と変更先の候補、両方の過去問を一度解いてみる。そのうえで決めても、10月中旬ならまだ遅くはないはずです。

2. 2027年の入試まで、残りはどれくらいか

関西の中学入試は、統一解禁日が例年1月中旬に置かれていて、2027年は1月16日(土)が解禁日となる見込みで、そこから数えると、残りの日数は次のようになる。

起点統一解禁日までの日数
10月11日(日)97日(約14週)
12月17日(木)30日
1月2日(土)14日

表の数字は、左から起点の日付・2027年1月16日(土)までの日数です。1月16日(土)は、大阪星光学院・洛星・神戸女学院などが公表している2027年度の募集要項でも試験日(1日目)とされています(大阪星光学院・洛星・神戸女学院の各記事で募集要項の内容を整理しています)。各校の試験日と出願の締め切りは学校ごとに異なりますので、最新の情報は各校の募集要項でご確認ください。

この97日のなかには、冬期講習や正月特訓、学校の行事、そして体調を崩す日も含まれる。数字ほど自由に使える日が多いわけではありません。だからこそ、変更するかどうかを迷っている時間そのものが、残りの日数を減らしていくことは意識しておきたいところです。

3. 「変更」には3つの形があります

ひとくちに志望校の変更と言っても、その中身は大きく3つに分かれます。どの形かによって、間に合うかどうかの考え方が変わってくる。

10月に多いのは1つ目の「下げる」変更だと思いますが、ここで気をつけたいのは、難易度を下げれば自動的に合格に近づくとは限らないということです。難易度が下がっても、出題のされ方がいまの志望校と大きく違えば、これまでの対策がそのまま点数につながらないことがある。どの形の変更であっても、次の章で書く「解き方の重なり」を確かめてから決めたほうが安全です。

4. 間に合うかを分ける「解き方の重なり」

学校ごとの違いというと、教科の数や試験時間、記述の多さといった形式に目が行きがちです。もちろんそれも確かめておく必要はありますが、実際に点数の差になるのは、もう一段具体的なところ。その学校で繰り返し出る問題の型と、その型を短い時間で解くための解き方です。

指導にあたっている教師からよく聞くのは、問題によっては、正攻法でも答えは出るけれど時間がかかり、その学校の型に合った解き方を知っているかどうかで、かかる時間が大きく変わる、という見方です。こうした解き方は、過去問を何年分も解きながら身につけていくもので、短い期間で一から入れ直すのは簡単ではない。

そう考えると、志望校を変えるときに確かめたいのは、次のような点になります。

いまの対策と重なる部分が大きい学校なら、変更しても積み上げが生きます。重なりが小さい学校なら、残りの日数のなかで新しい型にどこまで慣れられるかを見積もる必要がある。そのうえで、新しく補う課題がいくつあり、それに使える時間がどれだけあるかを並べてみると、難易度の上下だけでは見えない見通しが立ってくるでしょう。

ここから先の90日・30日・2週間は、準備の進め方を考えるための区分で、変更できる期限や、合格に間に合うことを保証する目安ではありません。各校の試験日・出願の締め切りと、お子さまに必要な追加の対策によって、判断は変わります。

5. 残り90日(10月中旬)でできること

10月中旬は、まだ選べることが多い時期です。変更を決める前に、いまの志望校と変更先の候補の過去問を、それぞれ1年分ずつ解いてみることをおすすめします。点数を比べるだけでなく、どちらの学校で手が止まる問題が多かったか、それがどんな型の問題だったかを書き残しておきましょう。ただし、1年分の結果は入口にすぎません。必要に応じて別の年度の問題も解き、何を新しく補う必要があるかを整理していきます。

点数を比べるときは、合格者最低点が公表されている学校なら、同じ年度・同じ受験方式の数字と比べます。公表されていない学校では、学校の合格ラインと直接は比べられません。また、ご家庭で採点した点数は、学校の採点と同じになるとは限らない。点数そのものより、手が止まった問題の中身を見るほうが、変更の判断には役立つはずです。

この時期の中心は、両校の過去問を使って、いまの対策で対応できる部分と、新しく補う課題を調べることです。重なりが大きい学校なら、これまでの対策を変更先の過去問に向け直していく形になり、重なりが小さい学校なら、新しい型に慣れる時間をどれだけとれるかが判断の分かれ目になる。どのくらいの量をこなせるかはご家庭ごとに違いますから、できることから始めて、走りながら調整していく形で構いません。

過去問の点数の読み方については9月の過去問で点数が取れないときに、志望校をどう絞るかについては志望校が決まらないときにも整理しています。

6. 残り30日(12月中旬)で変わること

12月中旬になると、冬期講習が始まり、新しく使える時間はぐっと少なくなります。この時期は、補う課題を絞り込み、講習や併願校の対策も含めて、実際に使える時間がどれだけあるかを確かめるのが中心になるでしょう。

重なりが大きい学校への変更なら、変更先の過去問を解いて、いまの解き方が通じる問題で点を取りきり、通じない問題の型をいくつか補う、という順番が考えやすい。補う課題が少なければ、これまでの積み上げを生かしながら進められることもあります。

一方で、出題の型が大きく違う学校に一から合わせるのは、この時期からだと難しくなってきます。それでもその学校を受けたい場合は、第一志望として据えるのか、併願の一校として受けるのかを分けて考えると、対策にかける時間の配分が決めやすくなる。12月は出願が近づく時期でもありますので、各校の出願期間を早めに確かめておくことも忘れないでください。

7. 残り2週間(1月初め)で考えること

1月に入ると、新しい学校のための対策を一から広げる時間は限られてきます。この時期に考えることは、新しい対策を広げるよりも、準備してきた内容と、出願できる学校の組み合わせを確かめることが中心になります。

たとえば、前半の日程の結果を見てから後半の日程の受験校を決める、出願の締め切りがまだ先の学校を候補に残しておく、といった調整です。ここで大事なのは、受ける学校を増やすことよりも、本人がこれまで練習してきた解き方で戦える学校を選ぶこと。出願の締め切りや手続きの日程は学校ごとに違いますので、組み合わせを考える段階で、日付を一枚の紙に並べておくと慌てずに済むでしょう。

直前期の過ごし方や、この時期から家庭教師を頼む場合の考え方は、中学受験直前に家庭教師は間に合う?にまとめています。

8. 判定だけで、変更を決めない

10月の模試の判定が悪かったことが、変更を考えるきっかけになるのも無理はない。ただ、合格可能性の判定は、その模試の成績と、実施する側の判定基準にもとづく目安です。順位や偏差値とは分けて読み、判定の意味は受けた模試の案内で確かめておきましょう。1回の判定だけで変更を決めず、複数回の結果と、志望校の過去問、失点の中身を合わせて考えたいところです。

判定がDのみならずEであっても合格する子はいますし、反対に、判定は良くても過去問になると手が止まることもある。判定が低かったことだけで、すぐに変更を決める必要はありません。ただし、低い判定が続く場合は、過去問の状況と併願校の組み合わせも含めて、塾の先生にも確かめておくと安心でしょう。判定の数字の受け止め方は、模試でD判定・E判定が出たらにも書いています。

9. 変えるとき、本人にどう伝えるか

志望校を変えると決めたとき、本人にどう伝えるかで迷われる方も多いと思います。とくに難易度を下げる変更は、本人が「自分はだめだった」と受け止めてしまうこともある。

伝える前に、本人がいまの学校の何に魅力を感じているか、変えることの何が心配かを聞いてみてください。そのうえで、過去問の状況、通学、校風、受験の日程など、候補を考える材料を一緒に確かめていきます。「成績が足りないから下げる」とだけ伝えず、本人の希望と現実的な条件の両方から、親子で相談して決めたいところです。本人の希望を大切にしながら、最後は保護者と相談して受験校を決めていく形になるでしょう。

10. この判断を、誰と一緒にやるか

残りの日数を数えることや、過去問を1年分ずつ解いてみることは、ご家庭でも進められる。塾の先生に相談できる環境があるなら、まずそこで意見を聞くのが自然ですし、家庭教師が必要とは限りません。

難しくなるのは、変更先の学校で、いまの対策がどこまで通じ、何を新しく補う必要があるかを見極める部分です。答案を見ただけでは、手が止まった問題が知らない型だったのか、知っている型なのに時間がかかったのかを分けにくいこともある。本人が問題を解いている様子を見て、何を考えていたかを聞くと、はじめてはっきりすることも多いと思います。

中学受験の指導実績がある教師

23名が登録しています

うち8名は、灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校に生徒を送り出した指導実績を持っています。学生講師は在籍していません。ご希望の学校の対策については、学年や必要な指導内容、教師の担当状況を確かめたうえで、ご案内できる教師がいるかをお伝えします。指導実績のある教師を含め、時期や条件によってはご案内できない場合もあります。
在籍状況は時期により変わります。担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。

ご相談は、学年、直近の模試の結果、いまの志望校と変更を考えている学校の3点から始められ、過去問の答案がなくても構わない。答案があれば、確認できる範囲で、①変更先の過去問で手が止まった問題の型、②いまの対策が通じる部分と、新しく補う課題、③その課題に使える時間と優先順位を一緒に整理します。資料がない場合は、まず状況をうかがって、次に何を確かめればよいかを整理するところから始めます。ご相談だけで終えていただいても構わない。

家庭教師を検討される場合は、次の順番で進みます。

指導料は教師ごとに決まっていて、1時間3,500円〜7,000円です。月々の費用は、教師の指導料と授業の時間・回数、交通費によって変わってくる。指導した時間分と交通費を月末に教師へ直接お支払いいただく形で、入会金や教材費、解約金はかからない。授業のキャンセルでは指導料はかからず、教師が訪問してからのキャンセルの場合は交通費だけをお支払いいただきます。解約はいつでもでき、教師に直接伝えにくい場合は当ネットワークからお伝えすることもできる。詳しくは費用について、授業開始までの流れ、キャンセル・解約についてにまとめてあります。

指導が始まったあとは、進め方や優先して取り組むところを、教師とこまめに確かめていただくのがいちばんです。教材の販売はしていないので、お手持ちの過去問や教材を使って進めることになり、塾の宿題に課題を積み増すかどうかも含めて相談していけます。進め方が合わないと感じたときは、教師に言いにくいことでも当ネットワークにご相談ください(授業開始後のアドバイス)。

ここまで読んで、どれが近いですか

志望校の変更について、よくうかがうのがこの5つです。当てはまるものはありますか。

  • 変えたほうがいいのか、このままでいいのか決められない両方の過去問の結果から、通じる部分と補う課題を一緒に見ます。
  • 変更先の過去問で、手が止まる問題が多い止まった問題が、知らない型か時間の問題かを分けます。
  • 12月以降の変更で、何を優先すればいいか分からない補う課題と使える時間を並べて、優先順位を整理します。
  • 入試まで残り何日あるか知りたいこの記事の第2章に表を載せています。相談は不要です。
  • 判定の数字をどう受け止めればいいか知りたい第8章と、判定についての記事にまとめています。

学年、直近の模試の結果、志望校の3点だけでもお話をうかがえます。

それでも、一度お話を聞かせてください

残りの日数は分かったけれど、変えるべきかどうかで止まっている、ということがあるかもしれません。

迷っている時間も、残りの日数に含まれます。いまの志望校と変更先の候補、両方の過去問を見比べると、どちらで戦うほうがよいかの材料が増えていきます。

学年、直近の模試の結果、いまの志望校と変更を考えている学校を一言いただければ、いまの学習の状況と、次に確かめたい点を整理してお返しします。過去問に取り組んでいれば、解いた年度と科目ごとの得点、手が止まった問題もあわせて見ます。

ただ、模試の結果や答案の一部だけで、学力全体や合格の見通しまでは判断できません。いまの志望校のままで進めてよさそうなら、そうお伝えしますし、ご相談したからといって、その場で家庭教師の利用を決めていただく必要はありません。

力になれることがあるなら、なりたいと思っています。

合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件や地域によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。

この記事で扱っていないこと

この記事では、特定の学校の名前を挙げて、どの学校からどの学校への変更が向いているかといった比較はしていない。学校ごとの出題の型は年度によっても変わり、お子さまの答案を見ないと言えないことが多いからです。また、どのくらいの量をこなせば間に合うかという目安も載せていません。使える時間はご家庭ごとに違い、細かい組み立ては実際の答案を見てから決めるものだと考えています。この記事でお伝えしたかったのは、変更が間に合うかどうかを、日数だけでなく、解き方の重なりと補う課題、使える時間の3つから考えるという見方の部分になります。

まとめ:重なり、補う課題、使える時間を並べて見る

この記事の要点

  • 2027年の関西の統一解禁日は1月16日(土)の見込みで、10月11日から97日
  • 間に合うかどうかは、解き方の重なり、新しく補う課題、それに使える時間の3つで考える
  • 変更には「下げる」「同じくらいの別の学校」「上げる」の3つの形がある
  • 難易度を下げても、出題の型が大きく違えば対策がそのまま生きないことがある
  • 約90日:両校の過去問で、通じる部分と補う課題を調べる
  • 約30日:補う課題を絞り、講習や併願対策を含めて使える時間を確かめる
  • 約2週間:新しい対策を広げるより、準備した内容と出願できる学校の組み合わせを確かめる
  • 1回の判定だけで変えない。複数回の結果と過去問、失点の中身を合わせて見る

今日できること

最後に、ひとつだけお伝えしておきます。

変更を考えている学校の過去問を、まず1年分だけ解いてみてください。点数をつけたら、手が止まった問題に印をつけて、これまで練習した考え方を使えそうか、何を新しく補う必要があるかを書き添えておく。見覚えのある問題でも、時間内に解けるかどうかは別です。1年分の結果を入口に、必要に応じて別の年度の問題や本人の解く様子も確かめながら、補う課題と使える時間を並べていくと、変えるかどうかを考える材料がそろってくるはずです。

よくある質問

Q 10月から志望校を変えても間に合いますか。
A 関西の入試は2027年1月16日(土)が統一解禁日となる見込みで、10月中旬からはおよそ3か月あります。間に合うかどうかは日数だけでは判断できず、変更先の過去問で、いまの対策を使える部分はどこか、新しく補う課題は何か、その課題に取り組む時間があるかを確かめることが大切です。まずは変更先の過去問を1年分解いて、手が止まる問題を確かめるところから始めてみてください。
Q 12月に入ってからの変更は遅すぎますか。
A 出題の型が近く、新しく補う課題が少ない学校への変更なら、12月からでも組み直せることがあります。出題の型が大きく違う学校に一から合わせるのは難しくなってくるため、その学校を第一志望にするのか、併願の一校として受けるのかを分けて考えると、時間の配分を決めやすくなります。講習や併願校の対策を含めて、実際に使える時間も確かめておいてください。各校の出願期間も早めにご確認ください。
Q 志望校のレベルを下げれば、合格しやすくなりますか。
A 難易度を下げれば自動的に合格に近づくとは限りません。出題のされ方がいまの志望校と大きく違えば、これまでの対策がそのまま点数につながらないことがあります。変更する前に、変更先の過去問を解いて、いまの解き方が通じる問題がどのくらいあるかを確かめておくと安全です。
Q 模試の判定がE判定でした。志望校を変えるべきですか。
A 1回の判定だけで決めないことをおすすめします。合格可能性の判定は、その模試の成績と、実施する側の判定基準にもとづく目安です。複数回の結果、志望校の過去問、失点の中身を合わせて考えたうえで、変えるかどうかを検討するほうが確かです。低い判定が続く場合は、過去問の状況と併願校の組み合わせも含めて、塾の先生にも確かめておくと安心でしょう。
Q 志望校を変えることを、子どもにどう伝えればいいですか。
A 伝える前に、本人がいまの学校の何に魅力を感じているか、変えることの何が心配かを聞いてみてください。そのうえで、過去問の状況、通学、校風、受験の日程など、候補を考える材料を一緒に確かめます。「成績が足りないから下げる」とだけ伝えず、本人の希望を大切にしながら、保護者と相談して受験校を決めていけるとよいと思います。
Proチューターズネットワーク 編集部
中学受験を専門とするプロ家庭教師マッチングサービス「Proチューターズネットワーク」が運営する受験情報メディア。高校受験・大学受験にも対応しています。兵庫・神戸を拠点に、関西の受験情報を保護者の方に向けて発信しています。

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