1. 出願前に決めることが、1つある
志望校が決まると、多くのご家庭はまず過去問を買い、算数の傾向を調べるところから入ります。ごく自然な流れではありますが、大阪星光学院の場合、その前に決めておきたいことがあります。
受験区分です。この学校ではⅠ型(国語・算数・理科・社会の4科目)とⅡ型(国語・算数・理科の3科目)のどちらかを選んで出願することになりますが、出願後の変更はできません。つまり、12月中旬の出願期間までに判断を終えておく必要があります。
そして、どちらを選ぶかで社会にかける時間が決まります。Ⅰ型を選べば社会の目標点が計算で出せますし、Ⅱ型なら社会に一切時間を使わなくてよいことになります。逆にここを決めないまま演習を積むと、社会に時間をかけすぎるか、手を抜きすぎるかのどちらかに寄ってしまいます。
出願区分は、事務手続きではありません。秋以降の時間配分を決める起点です。そして判断に必要なのは、募集要項と電卓だけになります。
結論を先に書いておきます
この記事の要点を先にお伝えすると、Ⅰ型で出願するほうが下振れしにくい設計になっています。理由は第3章で扱う得点計算の仕組みにあり、Ⅰ型には3通りの計算方法が用意されているためです。
ただし、社会に時間を割く余裕がまったくない場合や、他の3科目を仕上げることを優先する判断もあります。どちらが正しいかではなく、どちらが自分の家庭の状況に合うかという話になります。その判断材料を、この記事で揃えていきます。
2. 入試の骨格を数字で押さえる
まず、学校が公表している要項の内容を確認しておきます。数字は2027年度(2027年1月実施)の生徒募集要項によるものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 2027年1月16日(土) |
| 募集人員 | 約190名(連携校特別選抜を含む) |
| 受験型 | Ⅰ型(国算理社)/Ⅱ型(国算理)※出願後の変更は不可 |
| 受験料 | 20,000円 |
| 出願期間 | 2026年12月14日〜12月22日(ネット出願のみ) |
| 合格発表 | 2027年1月17日(日)13時〜 |
※学校公表の2027年度生徒募集要項による。出願前に必ず最新の要項でご確認ください。
当日の時間割
| 科目 | 時刻 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 集合 | 8:40 | — | — |
| 国語 | 9:05〜10:05 | 60分 | 120点 |
| 算数 | 10:25〜11:25 | 60分 | 120点 |
| 理科 | 11:45〜12:25 | 40分 | 80点 |
| 昼食 | 12:25〜13:05 | 40分 | Ⅰ型のみ |
| 社会 | 13:15〜13:55 | 40分 | 80点 |
Ⅱ型で受験する場合、理科が終わった12時25分で終了します。Ⅰ型はそこから昼食をはさんで13時55分まで続きますので、拘束時間に1時間半の差が出ることになります。
この差をどう見るかは判断が分かれるところです。小学6年生にとって1時間半は小さくありませんが、その代わりに得られるものについては、次の章で扱います。
1教科目が国語という並び
時間割でもう1つ押さえておきたいのが、1科目目が国語だという点です。関西の最難関校では算数から始まる学校もありますので、志望校によって朝の入り方が変わってきます。
算数を得意とする受験生ほど、ここで足をすくわれることがあります。国語で手応えがないまま2科目目に入ると、算数の前半で焦りが出るためです。過去問を解くときは、国語から始める順番で通しておきたいところです。
3. 3通りの最高点採用という設計
ここが、この学校を理解するうえで最も重要な部分になります。学校の募集要項には、選抜方法についてこう書かれています。
Ⅰ型受験では、①4科目合計点 ②国語・算数・理科の合計×1.25 ③国語・算数・社会の合計×1.25——この3通りを計算して、最も高い点数を得点とします。Ⅱ型受験は、国語・算数・理科の合計×1.25で判定されます。Ⅰ型とⅡ型の区別はせず、いずれも400点満点で合否が決まります。
まず確認しておきたいのが、3通りとも満点が400点に揃うという点です。計算してみると、次のようになります。
- 4科合計:120+120+80+80 = 400点
- 国算理×1.25:(120+120+80) × 1.25 = 400点
- 国算社×1.25:(120+120+80) × 1.25 = 400点
どのルートを通っても満点が同じ400点になるよう、計算式が組まれているわけです。理科と社会が同じ80点満点であるため、この対称性が成立しています。
他校との違い
関西の最難関校にも、科目の一部を換算する仕組みを持つ学校はあります。ただし、星光の3通りという設計については、他に例がありません。
| 学校 | 計算方法 | 救済される科目 |
|---|---|---|
| 大阪星光学院 | 4科合計/国算理×1.25/国算社×1.25 の最高点 | 理科と社会の両方 |
| 西大和学園 | 4科合計/国算理×1.25 の高いほう | 社会のみ |
※各校の公表資料による。詳細は西大和学園の記事で扱っています。
西大和の場合、救済されるのは社会だけになります。ですから理科が振るわなければ、その失点はそのまま総合点に響いてしまいます。
これに対して星光では、理科と社会のどちらが低くても、低いほうを外した計算が用意されています。理科が悪ければ国算社×1.25が、社会が悪ければ国算理×1.25が採用される。この対称性が、他校にない特徴です。
なぜこの設計なのか
学校が理由を公表しているわけではありませんが、構造そのものからは読み取れることがあります。
国語と算数は、どの計算式にも必ず入っています。この2科目だけは外れる場面がなく、しかも1.25倍の対象になります。ここに、学校が何を測ろうとしているかが表れているといえます。
一方で理科と社会は、片方だけを使う計算が認められています。両方が仕上がっていれば4科合計で評価されますが、どちらかに穴があっても、そこで足切りにはならない。国語と算数の力を土台として見たうえで、理社は上乗せとして扱う設計です。
4. 分岐点を、計算で出す
3通りのうち、どれが採用されることになるのか。これは、計算で判定できます。
数式で整理する
国語と算数の合計をA(240点満点)、理科をR、社会をSとします。3通りの得点は、次のようになります。
- ① 4科合計 = A + R + S
- ② 国算理×1.25 = (A + R) × 1.25
- ③ 国算社×1.25 = (A + S) × 1.25
①が②を上回る条件を求めると、A+R+S > 1.25×(A+R) となり、整理すると S > 0.25×(A+R) になります。つまり社会が、国算理の合計の4分の1を超えていればよいことになります。
同じように①が③を上回る条件は R > 0.25×(A+S) です。理科が、国算社の合計の4分の1を超えている状態を指します。
整理すると、4科合計が採用されるのは、理科と社会の両方が「自分を除く3科の合計の4分の1」を超えているときです。どちらか一方でも下回れば、その科目を外した3科換算のほうが高くなります。
実際の点数で確かめる
仮の点数を入れて、計算してみます。
| 国算/理/社 | ①4科合計 | ②国算理×1.25 | ③国算社×1.25 |
|---|---|---|---|
| 190/60/50 | 300点 | 312.5点 | 300点 |
| 190/60/60 | 310点 | 312.5点 | 312.5点 |
| 200/70/45 | 315点 | 337.5点 | 306.25点 |
| 170/55/70 | 295点 | 281.25点 | 300点 |
※国算は2科目の合計(240点満点)、理科と社会は各80点満点として計算しています。
4行目に注目してください。ここでは社会が理科を上回っているため、理科を外した③が最高点になっています。西大和にはこのルートがありませんので、同じ得点構成であっても結果が変わってくることになります。
1行目と3行目では、社会が分岐点に届いていません。1行目であれば国算理の合計250点の4分の1は62.5点ですが、社会は50点にとどまっています。そのため4科合計ではなく、②が採用されることになります。
この計算が持つ意味
結論として、理科と社会のうち低いほうの科目は、実質的に無視されます。正確には、低いほうを外した計算が採用されるという形です。
ここから導かれる方針は明確です。理社のどちらかに苦手があっても、致命傷にはなりません。その代わり、国語と算数で崩れると挽回する手段がなくなります。この2科目には、どの計算式でも1.25倍がかかるためです。
5. Ⅰ型とⅡ型、合格率に差がある
ここまでの構造を踏まえたうえで、出願区分の判断に入ります。学校が公表している入試結果から、型別の数字を見てみましょう。
| 年度 | Ⅰ型 受験→合格 | Ⅱ型 受験→合格 | 差 |
|---|---|---|---|
| 2026年度 | 479→208名(43.4%) | 192→73名(38.0%) | 5.4pt |
| 2025年度 | 500→216名(43.2%) | 198→67名(33.8%) | 9.4pt |
| 2024年度 | 495→228名(46.1%) | 166→72名(43.4%) | 2.7pt |
※学校公表の入試結果をもとに、合格率は受験者数に対する合格者数として算出しています。
3年連続で、Ⅰ型の合格率がⅡ型を上回っています。差は年度によって2.7ポイントから9.4ポイントまで開きがあります。
この数字の読み方
ここで注意しておきたいのは、この差が「Ⅰ型を選んだから合格しやすくなった」ことを示すとは限らない点です。Ⅰ型を選ぶ層のほうが、もともと学力が高い可能性があります。4科目を仕上げる余裕があるということは、それだけ準備が進んでいるとも読めるためです。
ただ、構造の面から言えることはあります。Ⅰ型には計算方法が3通りあり、Ⅱ型には1通りしかありません。Ⅱ型は国算理×1.25のみで判定されますので、理科が崩れた場合の逃げ道がないことになります。
Ⅰ型で出願して社会が振るわなくても、国算理×1.25で判定されます。これはⅡ型と同じ計算式であり、Ⅰ型を選んだことによる不利は生じません。社会が良ければ加点され、悪くても損はしない。この非対称性が、Ⅰ型を勧める理由です。
Ⅱ型を選ぶ判断があるとすれば
それでもⅡ型を選ぶ理由があるとすれば、次のような場合になります。
- 社会にかける時間が、他の3科目を削らないと確保できない
- 当日の拘束時間を1時間半短くしたい事情がある
- 併願校がすべて3科入試で、社会をまったく学習していない
3つ目については、実際にそうしたご家庭もあります。ただし関西の最難関校の多くは4科入試ですので、星光だけのために社会を捨てるという判断は、併願全体を見てから決めることになります。
併願校との兼ね合いで決まる場面
Ⅰ型とⅡ型の判断は、星光1校だけを見て決められるものではありません。併願する学校が4科入試であれば、社会はどのみち仕上げる必要が出てくるからです。
関西の最難関校を見ると、多くが4科での受験を前提とした設計になっています。その中で星光だけを3科に絞るという判断は、他校の対策と噛み合わなくなる可能性があります。社会を捨てた状態で併願校の過去問を解けば、当然そちらの得点は下がります。
逆に、併願校もすべて3科入試で組めるのであれば、Ⅱ型を選んで社会にかける時間をゼロにするという設計も成立します。この判断は、受験校の組み合わせが固まってから下すことになります。星光の出願期間は12月中旬からですので、11月中に併願を決めておけば間に合う計算です。
6. 合格最低点252.5点が意味すること
2026年度入試の合格最低点は、252.5点でした。400点満点に対して63.1%にあたります。
| 年度 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 合格最低点 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 715名 | 671名 | 281名 | 252.5点 |
| 2025年度 | 753名 | 698名 | 283名 | 250点 |
| 2024年度 | 707名 | 661名 | 300名 | 252.5点 |
※学校公表の入試概要による。実質競争率は2026年度2.4倍、2025年度2.5倍、2024年度2.2倍。
3年間で250点から252.5点の範囲に収まっており、合格ラインは6割強で安定しています。満点近くを狙う必要はなく、取れる問題を取り切る力が問われる水準といえます。
この数字の小数点に注目する
ここで、少し細かい話をします。合格最低点252.5点という数字には、小数点以下が付いています。
各科目の配点が整数である以上、4科目の単純合計は必ず整数になります。252.5という小数が出るのは、1.25倍の計算を経た場合だけです。実際に252.5を1.25で割ると202になり、これは国算理(または国算社)の320点満点における202点を意味します。
つまり2026年度の合格最低点は、3科換算のルートで算出された点数です。ボーダーライン上の受験生は、4科合計ではなく3科×1.25で合格したことになります。320点満点の202点、割合にして63.1%です。
この事実は、社会に対する考え方を変えます。合格ラインぎりぎりの層では、理社のどちらかを外した計算が働いているということです。4科すべてを均等に仕上げなければ届かない、という前提は成り立ちません。
7. 算数——120点を60分で
ここからは、科目別の設計に入っていきます。まずは算数からです。
配点は120点、試験時間は60分です。1点あたり30秒という密度になります。関西の最難関校と比べると、洛南は算数70分、灘は2日間で60分ずつの2回という構成ですので、星光の60分は短めの部類に入ります。
1.25倍の対象であることの意味
算数はどの計算式にも必ず入りますので、常に1.25倍の対象になります。つまり実質的な重みは150点分だということです。
ここから導かれるのは、算数での失点が他科目より重く効くという事実です。算数で20点を落とせば、総合点では25点分の損失になります。逆に社会で20点を積んでも、それが加点として働くのは分岐点を超えた部分だけです。
同じ1時間を使うなら、算数に回したほうが総合点への効き方は大きくなります。時間配分に迷ったときは、この原則に戻ってください。
過去問での確認事項
過去問を解いたら、点数よりも先に確認したいことがあります。時間内に、最後まで手が届いたかどうかです。
届いていない場合、必要なのは解法を追加することではなく処理速度の改善になります。前半の標準的な問題を短縮できれば、後半に残せる時間が変わってきます。60分という設定では、考え込む余裕がほとんどありません。
解ける問題を選んで取り切るという判断も要ります。合格ラインが6割強である以上、全問を解く必要はありません。どれを捨てるかを決める練習も、過去問で積んでおきたいところです。
8. 国語——算数と同格の120点
国語も配点120点、時間60分ですので、算数とまったく同じ条件になります。つまりこの学校では、国語と算数が同格に置かれているということです。
関西の最難関校では算数の比重が高い設計も見られますが、星光は両者を並べています。しかも国語も1.25倍の対象ですので、実質150点分の重みを持つことになります。
1科目目であることの影響
第2章でも触れたとおり、国語は1科目目に置かれています。9時5分開始ですので、集合の8時40分から25分後には試験が始まる形です。
会場に着いてすぐ国語、という流れになりますから、頭が動き始める前に始まってしまう可能性があります。対策としては、試験開始の1時間前までに文章を1本読んでおくことです。過去問の1題でも、読んできた本の一節でも構いません。読む態勢を作っておくだけで、最初の10分の使い方が変わってきます。
採点の難しさ
国語は、自己採点が難しい科目でもあります。記述の出来を自分で判断しようとすると、甘くも辛くもなってしまうためです。
過去問の記述は、誰かに採点してもらうほうが確かです。模範解答を要素に分解して、必要な要素がいくつ入っているかで数える方法もあります。この作業を通じて、何を書けば点になるのかの基準が本人の中に育ちます。
9. 理科——40分で80点、しかも1.25倍
理科は40分で80点という設定です。ここで見落としやすいのが、理科もまた1.25倍の対象に入っているという点になります。
国算理×1.25という計算式が採用される場合、理科の1点も1.25倍されます。実質的な重みは100点分になり、40分という試験時間に対しては相当な密度です。
| 科目 | 時間 | 配点 | 1.25倍時の実質 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 60分 | 120点 | 150点 |
| 算数 | 60分 | 120点 | 150点 |
| 理科 | 40分 | 80点 | 100点 |
| 社会 | 40分 | 80点 | —(1倍のまま) |
※国算理×1.25が採用された場合の実質値。国算社×1.25が採用される場合は、社会が100点分・理科が対象外となります。
この表が示すのは、理科と社会は非対称ではないということです。どちらも、採用された側は1.25倍、外れた側は0として扱われます。
解く順番を決めておく
40分で80点を取りにいくとなると、知識で即答できる部分をどれだけ増やせるかが効いてきます。考えて解く問題のほうに、時間を残すためです。
計算問題で詰まると、そのぶん知識問題を落とすことになります。知識問題を先に片づけて、計算に時間を残す形が基本になります。この順番は、過去問を解くときに固めておきたいところです。
10. 社会——保険として機能させる
Ⅰ型で出願する場合には、社会をどう扱うかが最後の論点になってきます。
第4章の計算から、目標は明確です。国算理の合計の4分の1を上回ること。これを超えれば4科合計が採用されて加点になり、下回っても国算理×1.25で守られます。
目標点を具体的に出す
| 国算理の合計 | 社会の分岐点 |
|---|---|
| 240点 | 60点 |
| 260点 | 65点 |
| 280点 | 70点 |
| 300点 | 75点 |
社会は80点満点ですので、分岐点は概ね6割から9割の範囲に位置します。国算理が仕上がっているほど、社会に求められる点数も上がっていくという関係になります。
ここは、直感に反するところかもしれません。他の3科目ができるほど、社会のハードルのほうも上がっていくわけです。ただし、これはあくまで加点を得るための条件であって、下回ったからといって失点になるものではありません。
時間配分の考え方
社会が分岐点を大きく超えている場合、そこからさらに社会を伸ばしても、増えるのは1点につき1点です。一方で算数の1点は1.25倍されます。同じ時間を投じるなら、算数や理科に寄せたほうが総合点は伸びます。
逆に社会が分岐点を大きく下回っていて、そこまで引き上げるのに数か月かかると見込まれる場合は、その時間を国算理に回す判断もあります。どちらにしても、いまの点数と分岐点の差を把握することが先になります。
分岐点までの距離を測る
まずは、いまの社会が分岐点からどれだけ離れているかを確かめておきたいところです。過去問を1年分解いて、科目別の得点を出すのが最も速い方法になります。
差が10点以内であれば、標準的な問題を取り切る練習で届く範囲です。ところが30点以上の開きがある場合、そこを埋めるには数か月かかることもあります。この見積もりを立てないまま社会に時間を注ぐと、算数の演習量が削られてしまいます。
もう1点、社会は他の3科目と比べて直前期の積み増しが利きやすい科目でもあります。暗記分野の比重が大きいためで、11月や12月からでも点数が動くことがあります。逆に算数は、積み上げに時間がかかります。秋の段階では算数と理科を優先し、社会は直前期に寄せるという配分も、選択肢として成立します。
11. 統一解禁日1日目という日程
2027年度入試は、2027年1月16日(土)に実施されます。関西の統一解禁日にあたる日です。
この日には、関西の主要な最難関校が一斉に入試を行います。ですから星光を受けるということは、同日の他校を受けられないということでもあります。併願を組むうえで、この制約だけは最初に押さえておきたいところです。
翌日以降の日程
合格発表は翌1月17日(日)13時からです。入学手続きの締切は、募集要項で確認しておいてください。2日目以降に受験する学校がある場合、発表の時刻と手続きの締切が重なる可能性があります。
関西の併願は、統一解禁日から3日目、4日目まで続くことが珍しくありません。星光を1日目に受けるなら、2日目以降にどの学校を入れるかまで含めて設計することになります。
体力の設計
星光の入試は8時40分集合で、Ⅰ型であれば13時55分終了となります。この日程を4日続けるとなると、小学6年生にとっては相当な負荷になるはずです。
秋のうちに、模試を連続して受ける日を作っておくという方法があります。実際にやってみると、翌日の様子まで含めて見えてきます。組めるかどうかを、当日ではなく事前に確かめておきたいところです。
月ごとに、やることが変わる
| 時期 | 入試まで | やること |
|---|---|---|
| 9月 | 約20週 | 過去問を1年分解き、科目別の得点を出す |
| 10月 | 約15週 | 社会の分岐点を計算し、距離を測る |
| 11月 | 約11週 | 併願を決め、Ⅰ型かⅡ型かを確定させる |
| 12月 | 約7週 | 12月14日から出願。時間割どおりの通し練習 |
※2027年1月16日を起点として算出しています。
11月に型を確定させておくのは、出願期間が12月14日から始まるためです。この時点で迷っていると、社会に時間を使うべきかどうかも決まらないまま12月に入ってしまいます。
12月の通し練習では、当日と同じ順番で解いてみてください。国語から始めて算数、理科、昼食をはさんで社会。3科目目の理科あたりで集中が切れる子や、昼食後の社会で手が止まる子がいます。本番で初めて気づくより、12月に分かっているほうが手を打てます。
12. この設計を、誰と一緒にやるか
ここまでの判断は、ご家庭でも進められます。募集要項を読み、1.25倍の計算をして、過去問で現在地を測る。この順序で方向が見えるなら、それがいちばん早い形です。
難しくなるのは、社会にどれだけ時間を割くかという見積もりのほうです。
分岐点が何点かは計算で出ますが、そこまで何週間かかるかは別の話になります。いまの社会が50点で分岐点が70点だとして、20点を上げるのに3週間で済むのか、2か月かかるのか。この見積もりを誤ると、算数の時間を削ってしまいます。
もう1つが、Ⅰ型とⅡ型の判断そのものです。数字の上ではⅠ型が有利に見えますが、社会に割ける時間が実際にあるかどうかは、他の3科目の仕上がり具合によって変わってきます。
中学受験の指導実績がある教師
23名が登録しています
うち8名は、灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校に生徒を送り出した指導実績を持っています。学生講師は在籍していません。
在籍状況は時期により変わります。担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。
ご相談いただく場合にうかがうのは、次の点です。直近の模試の科目別成績、星光の過去問を解いた結果、いまの学習時間の配分、そして併願の候補。ここから、Ⅰ型とⅡ型のどちらで出すか、社会にどれだけ時間を割くかを一緒に整理します。
いまの配分のままで届くと判断される場合は、そうお伝えします。その場合、家庭教師を入れる必要はありません。
それでも、一度お話を聞かせてください
1.25倍の計算をしてみて、「うちはどちらで出願すべきか」と迷われたかもしれません。あるいは、社会の分岐点までの距離を見て、間に合うのか判断がつかなかったかもしれません。
この判断は、出願期間が12月中旬に始まるまでに決めておく必要があります。ご家庭だけで抱えていると、決めきれないまま秋が過ぎてしまいます。そのあいだも、社会に時間を使い続けることになります。
直近の模試の科目別成績を一言いただければ、こちらで計算して整理してお返しします。その場で決めていただく必要はありません。家庭教師以外の選択肢をお伝えすることもあります。
力になれることがあるなら、なりたいと思っています。
合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。
相談のときに、あると助かるもの
次のものがあると整理が速くなりますが、写真で撮ったもので十分です。
- 直近の模試の結果(科目別の得点が分かるもの)
- 星光の過去問を解いた答案(1年分でも結構です)
- いまの1週間の学習時間の配分
- 併願を考えている学校
とくに1つ目が判断に効きます。科目別の得点が分かれば、1.25倍の計算をその場で当てはめられるからです。社会が何点あれば加点になるか、いまの点数だとどのルートが採用されるか。数字が出れば、秋の時間配分がその場で決まります。
まとめ:計算してから、走り出す
この記事の要点
- Ⅰ型受験では、4科合計・国算理×1.25・国算社×1.25の3通りのうち最高点が採用される
- 3通りとも満点は400点に揃うよう設計されている
- 理科と社会は、低いほうを外した計算が働く。どちらに穴があっても致命傷にはならない
- 国語と算数はどの計算式にも入り、常に1.25倍の対象になる
- 4科合計が採用されるのは、理社の両方が「自分を除く3科合計の4分の1」を超えたとき
- Ⅰ型の合格率は3年連続でⅡ型を上回っている(2026年度は43.4%対38.0%)
- Ⅰ型で社会が振るわなくても、Ⅱ型と同じ計算式で判定されるため不利にならない
- 合格最低点252.5点は小数を含むため、3科換算のルートで出た数字と判断できる
- 算数の1点は1.25倍。社会に時間をかけすぎるより、算数に寄せるほうが効く
- 試験日は統一解禁日1日目。同日の他校は受験できない
今日できること
最後に1つだけ。
この学校の対策は、解法を増やす前に決めることがあります。Ⅰ型かⅡ型か。これが決まれば、社会にかける時間も演習の対象も定まります。そして決めるのに必要なのは、募集要項と電卓だけです。
直近の模試の科目別得点を紙に書き出して、国語+算数+理科の合計を4で割ってみてください。その数字が、社会の分岐点になります。いまの社会がそれを超えているかどうかで、秋の配分が決まります。
所要時間は5分ほどです。迷っている時間より、計算した5分のほうが前に進みます。