1. 結論:関西の冬は、講習と入試のあいだが短い
先に結論を書いておきます。関西で中学受験をする6年生にとって、12月から1月は、講習と入試がほとんど地続きになっている時期です。年末から年始にかけて塾の講習が続き、それが終わってしばらくすると、もう統一入試日が来ます。東京・神奈川のように、正月の特訓が終わってから入試まで1か月近くある、という流れにはなりません。
ですから、家庭教師を入れるかどうかを考えるときも、「講習のない日に空いているから入れる」という発想だけでは足りないと思います。講習の期間中は、講習で解けなかった問題のやり直しに絞る。講習が終わってから入試までは、本番に向けた最後の確認に使う。家庭教師に何を頼むのかを、時期ごとに分けて考えておくほうが、限られた時間を無駄にしにくくなります。
そして、もう一つ大事なのが、こうしたことを決めるのは12月に入ってからでは遅い、という点です。講習の予定が固まり、先生の予定も埋まっていく前の、10月から11月のうちに話し合っておくのが理想です。
2. 関西と東京・神奈川で、冬の意味が違います
まず、関西と東京・神奈川で、入試の始まる日がどれだけ違うのかを確かめておきます。
| 地域 | 2027年度の入試の始まり |
|---|---|
| 関西(近畿2府4県) | 1月16日(土)以降 |
| 東京・神奈川 | 2月1日(月)から本格化 |
表の数字は、左から地域・入試の始まりの日です。関西は大阪私立中学校高等学校連合会「令和9年度入試情報」の近畿入試日より。東京・神奈川は、2月1日に試験を行う開成中学校の募集要項などより。
関西の私立中学は、例年1月の中旬の土曜日を統一の入試解禁日としていて、2027年度は1月16日です。この日から数日のうちに、多くの学校が入試を行います。一方、東京・神奈川の私立中学の入試は、2月1日から本格的に始まります。関西は東京・神奈川より、2週間以上早く本番を迎えることになります。なお、同じ首都圏でも、埼玉や千葉では1月から入試が始まります。この記事では、2月1日に入試が始まる東京・神奈川と比べています。
この違いは、冬の過ごし方に大きく響きます。東京・神奈川の受験生にとって、年末年始の講習や正月の特訓は、入試の1か月前の仕上げにあたります。そこで見つかった課題を、1月のあいだに直していく時間があります。ところが関西では、年明けの講習がいつ終わるか、また統一入試日より前に受ける学校があるかによっては、最後の準備期間が10日を切るご家庭もあります。講習で見つかった課題を、ゆっくり直している時間はあまりありません。
インターネットで「冬期講習」「正月特訓」と調べると、東京・神奈川の受験生を前提にした記事がたくさん出てきます。そこに書かれている「1月にやること」は、関西の受験生にとっては、ほとんどが12月のうちに済ませておきたいことです。東京・神奈川向けの記事をそのまま当てはめると、時期の感覚が2週間以上ずれることになりますので、読むときには注意が必要です。
なお、関西の統一入試日より前に、岡山や四国などの学校が、12月から1月上旬にかけて関西に会場を設けて入試を行うことがあります。こうした学校を受ける予定があると、講習の期間中に入試が入ることになりますので、予定はさらに詰まります。先に受ける学校の入試日もカレンダーに書き込んでおくと、講習との重なりがひと目で分かります。
3. 6年生の講習の日程は、塾から配られます
家庭教師の予定を考える前に、まず塾の講習の予定を押さえる必要があります。ところが、6年生の冬期講習や正月の特訓の日程は、外部向けにはあまり公開されていません。たとえば浜学園が外部向けに案内していた冬期講習は、2025年度は小学1年生から5年生までを対象としていました。6年生の講習は、その塾に通っている生徒向けに日程表として配られる塾もあるということです。
ですから、家庭教師の予定を組むのは、塾から日程表が届いてからになります。届いたら、まず次のことを確かめておかれると、あとの話し合いが進めやすくなります。
- 講習が始まる日と終わる日。とくに、年明けの講習がいつ終わるか
- 講習のない日。年末年始に、塾が完全に休みになる日があるか
- 講習のある日の時間帯。午前だけか、夕方まで続くか
- 講習とは別に、志望校別の特訓や模試が入っていないか
- 先に入試を受ける学校がある場合、その日程と重なっていないか
このうち、いちばん大事なのは1つ目の「年明けの講習がいつ終わるか」です。その日から統一入試日の1月16日までが、関西の受験生にとっての最後の準備期間になるからです。この日数が分かると、家庭教師に何をどれだけ頼めるかの見当がつきます。
具体的な日付で考えてみます。たとえば、年明けの講習が1月5日に終わる場合、翌日の1月6日から統一入試日の前日の1月15日までは10日です。講習が1月7日まで続く場合は、8日しか残りません。この数日の差が、家庭教師に何を頼めるかを大きく変えます。10日あれば、受ける学校の過去問をもう一度確かめる時間と、本番の時間帯に合わせて練習する時間の両方を取れるかもしれません。8日だと、どちらか一方に絞ったほうがよい場合も出てきます。
また、講習のない日がどこにあるかも、あわせて見ておきたいところです。年末年始に塾が完全に休みになる日があれば、その日は体を休める日にするのか、家庭教師で講習のやり直しをする日にするのかを、先に決めておくことができます。休みの日をすべて勉強で埋めてしまうと、講習の期間を最後まで持たせるのが難しくなりますので、休む日も予定の一つとして書き込んでおくことをおすすめします。
講習の日程は、塾ごと、校舎ごと、クラスごとに違います。同じ塾に通っていても、志望校別のコースによって予定が変わることがあります。お子さまの日程表をもとに、ご家庭ごとに組み立てるのが確かです。
4. 講習の期間中に家庭教師を入れるなら
講習の期間中は、朝から夕方まで塾で演習を重ねる日が続きます。この時期に家庭教師を入れるなら、新しいことを教わる時間ではなく、講習で解けなかった問題をやり直す時間として使うのがよいと考えています。
講習では、たくさんの問題を短い時間で解いていきます。解けなかった問題は、解説を聞いてその場では分かった気がしても、自分で同じように解けるとは限りません。そのまま次の日の講習に進むと、解けなかった問題がどんどん積み上がっていきます。家庭教師の時間を、その積み上がった問題を一つずつ解き直す時間にあてると、講習の効果が残りやすくなります。
解けなかった原因には、知識の不足や時間の使い方もあります。ただ、指導にあたっている教師からよく聞くのは、現場で差として感じることが多いのは、その問題の形に応じた解き方を知っているかどうかのほうだ、という見方です。正攻法で押していけば答えは出るけれども時間がかかる、という問題は、講習のような時間の限られた演習では落としやすい。そうした問題を、短く解ける解き方から直していくのは、一対一の指導が得意とするところです。
一方で、気をつけたいのは、講習の期間中に家庭教師を入れすぎないことです。朝から夕方まで講習を受けたあとに、夜も長い時間の指導を入れると、疲れが抜けないまま翌日の講習を迎えることになります。講習の期間中は、回数を少なめにして、1回の時間も無理のない長さにしておくほうが、結果として講習の中身が身につきやすいと思います。
講習の期間中に、家庭教師の時間を生かすための準備
講習の期間中の家庭教師の時間は、どうしても短くなります。その短い時間を生かすには、何を解き直すかを、指導の前に決めておくことが大切です。
- 講習のテキストやプリントで、解けなかった問題に印をつけておく
- 解説を聞いても分からなかった問題と、聞けば分かった問題を分けておく
- 時間が足りずに手をつけられなかった問題にも、別の印をつけておく
こうしておくと、家庭教師の先生は、指導の最初に印のついた問題を見るだけで、どこから手をつければよいかが分かります。解説を聞いても分からなかった問題を優先して直すのが、限られた時間ではいちばん効果が出やすいと考えています。聞けば分かった問題は、自分でもう一度解いてみるだけで足りることも多いからです。
印をつける作業は、お子さま一人でも、保護者の方と一緒でもかまいません。講習から帰ってきた日のうちに、5分ほどで済ませておくのが続けやすいと思います。
塾と家庭教師の時間の配り方については、塾と家庭教師の併用は月いくらかにも整理しています。
5. 年明けから入試までの時間をどう使うか
年明けの講習が終わってから、1月16日の統一入試日までの時間は、関西の受験生にとって最後の準備期間です。家庭教師を利用する場合、講習が終わってから入試までの時期は、役割を絞って使いやすい時期です。
この時期に家庭教師に頼むことは、大きく分けて3つあります。
- 受ける学校の過去問の最終確認——新しい問題を増やすより、これまでに解いた問題で落とした形を、もう一度確かめておきます
- 講習で残った課題の仕上げ——講習の期間中にやり直しきれなかった問題を、ここで片づけます
- 本番の時間帯に合わせた練習——入試の集合時刻に合わせて、朝のうちに頭を動かしておく練習をします
3つ目については、関西には、甲陽学院のように朝8時台に集合する学校があります(2027年度は両日とも午前8時15分集合完了)。年末年始に生活のリズムが崩れると、入試当日の朝に頭がうまく働かないことがあります。講習が終わってから入試までの時期に、本番と同じ時間帯に問題を解いておくのは、この時期ならではの使い方です。朝の時間の使い方については、早朝のオンライン家庭教師は効果があるのかで、関西の各校の集合時刻とあわせて詳しく書いています。
ただし、この時期は新しいことに手を広げる時期ではありません。家庭教師の先生にも、新しい単元を教わるのではなく、これまでの積み重ねを本番で出し切るための確認をお願いする、という考え方で臨むのがよいと思います。直前の時期の考え方については、中学受験直前に家庭教師は間に合うかにも整理しています。
入試が始まってからの数日間
関西の私立中学の入試は、統一入試日から数日のうちに、ほとんどが行われます。1日目の午前と午後、2日目、3日目と続けて受けるご家庭も少なくありません。入試が始まってからは、1日目の結果を見ながら、2日目以降の受け方を決めていくことになります。
この期間に家庭教師をどうするかも、あらかじめ決めておくと安心です。入試の合間に新しい問題を解く時間はほとんどありませんが、翌日に受ける学校の注意点を短く確かめたり、気持ちを落ち着けるために声をかけてもらったりすることはできます。入試期間中に先生と連絡を取るかどうか、取るならどの方法で、いつまでかを、冬の指導を始める段階で先生と話しておくと、当日に迷わずに済みます。
ただし、入試期間中は、お子さまにとって新しい情報が少ないほうが落ち着ける場合もあります。先生からの連絡が負担になりそうなら、連絡は保護者の方だけにしてもらう、という決め方もあります。ご家庭とお子さまの様子に合わせて決めていただくのがよいと思います。
6. 家庭教師を入れなくてよい場合
ここまで家庭教師の使い方を書いてきましたが、冬の時期に家庭教師を入れなくてよい場合もあります。むしろ、入れないほうがよい場合もあります。
- 講習と自分での復習で、解けなかった問題を回せている
- 講習の予定がすでに詰まっていて、休む時間を確保するのが精一杯
- 塾の先生に質問できる時間があり、それで課題が片づいている
- 新しい先生と関係をつくる余裕が、いまの時期にはない
とくに4つ目は大事な点です。冬の時期に初めて家庭教師を入れる場合、先生との相性を確かめ、指導のやり方に慣れるまでに、ある程度の時間がかかります。入試まで1か月を切った時期に新しい先生を迎えると、慣れる前に本番が来てしまうこともあります。入れるのであれば、秋のうちに始めて、冬にはやり方に慣れている状態にしておくのが理想です。
いまの進め方で回っているなら、無理に家庭教師を入れる必要はありません。冬の時期は、新しいことを足すより、いまのやり方を崩さないことのほうが大事な場合もあります。
7. 10月から11月のうちに決めておくこと
12月に入ってから家庭教師の予定を考えはじめると、講習の予定も、先生の予定も、すでに埋まっていることがあります。10月から11月のうちに、次のことをご家庭で話し合っておかれると安心です。
- 冬の時期に家庭教師を入れるかどうか
- 入れるなら、講習の期間中と、講習が終わってから入試までの、どちらを中心にするか
- 講習の期間中に入れるなら、何日くらい、どの時間帯か
- 講習が終わってから入試までに入れるなら、本番の時間帯に合わせるかどうか
塾の日程表がまだ届いていなくても、「冬に家庭教師を入れるかどうか」と「入れるなら何を頼むか」は、先に決めておけます。日程表が届いたら、それに合わせて日を当てはめていく、という順番で進めると、慌てずに済みます。
すでに家庭教師をお願いしている場合は、塾の日程表が届いた時点で、先生にも共有しておくと話が早く進みます。講習のある日とない日、年明けの講習が終わる日、受ける学校の入試日が分かっていれば、先生の側でも、冬のあいだに何をどの順番で進めるかを組み立てやすくなります。先生の予定も年末年始は動きやすいので、早めに伝えておくほど、希望の日時を押さえやすくなります。
当ネットワークの無料体験(初回1時間)は、契約前であれば何人の先生でも受けていただけますが、体験は1人ずつ順番になります。冬の時期から始めると、合う先生を探す時間がほとんど残りませんので、検討されているなら、秋のうちにご相談いただくほうが選べる幅が広がります。
8. この組み立てを、誰と一緒にやるか
ここまでの内容は、塾の日程表と受ける学校の募集要項があれば、ご家庭で組み立てていただけると思います。講習が終わる日と入試の日を並べるだけでも、冬の時期の見通しはずいぶんはっきりします。
一方で、講習で解けなかった問題のうち、どれを優先して直すのか、受ける学校の過去問で何を最後に確かめるのかという段階になると、実際の答案を見ないと言えることが限られてきます。冬の時間は短いので、何を直すかを先に決めておくことが、そのまま結果に響くからです。当ネットワークはプロ家庭教師をお引き合わせしている側ですので、その点は差し引いてお読みいただければと思います。
中学受験の指導実績がある教師
23名が登録しています
うち8名は、灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校に生徒を送り出した指導実績を持っています。学生講師は在籍していません。
在籍状況は時期により変わります。冬の時期に担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。
ご相談いただいた場合にうかがうのは、学年、通っている塾、受ける予定の学校、そして冬の講習の予定の4点です。日程表がまだ届いていなければ、例年の講習の時期でもかまいません。講習の予定を先に置いて、家庭教師に何を頼むかを一緒に整理していきましょう。いまの進め方で回っていると感じられる場合は、そうお伝えします。その場合、家庭教師を入れる必要はありません。
ここまで読んで、どれが近いですか
冬の時期の家庭教師について、よくうかがうのがこの5つです。当てはまるものはありますか。
- 講習で解けなかった問題が、どんどん積み上がっているどの問題から解き直すかを、一緒に整理します。
- 講習が終わってから入試までに、何をすればよいか分からない受ける学校の過去問から、確かめることを絞ります。
- 入試当日の朝に、頭がうまく働くか心配本番の時間帯に合わせた練習を考えます。
- 関西と東京・神奈川の入試日の違いを知りたいこの記事の第2章に表を載せています。相談は不要です。
- 家庭教師を入れなくてよいか知りたい第6章にまとめています。
学年と、冬の講習の予定だけでもお話をうかがえます。
それでも、一度お話を聞かせてください
予定の組み方は分かったけれど、冬の時間に何を優先すればよいのかで止まっている、ということがあるかもしれません。
関西の冬は、講習と入試のあいだが短い時期です。何を直して本番を迎えるかを先に決めておくと、短い時間でも慌てずに済みます。
学年と、受ける予定の学校を一言いただければ、こちらで整理してお返しします。その場で決めていただく必要はありません。
力になれることがあるなら、なりたいと思っています。
合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件や地域、時期によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。
この記事で扱っていないこと
この記事では、個別の塾の講習の日程や内容には踏み込んでいません。6年生の講習の日程は、塾ごと、校舎ごと、コースごとに違い、外部向けに公開されていないこともあるからです。お子さまの日程表をもとに組み立てていただくほうが確かです。また、科目ごとの直前期の勉強法にも触れていません。この記事でお伝えしたかったのは、関西の入試日程を前提にしたとき、冬の時期の家庭教師をどう位置づければよいか、という部分になります。
まとめ:講習の予定を先に置いて、隙間ではなく役割で考える
この記事の要点
- 関西の2027年度の入試は1月16日(土)以降。東京・神奈川の2月1日より2週間以上早い
- 東京・神奈川向けの冬期講習・正月特訓の記事は、関西では時期の感覚がずれる
- 6年生の講習の日程は、塾から日程表として配られる場合がある
- 日程表で最初に確かめるのは、年明けの講習がいつ終わるか
- 講習の期間中は、講習で解けなかった問題のやり直しに絞り、入れすぎない
- 講習が終わってから入試までは、過去問の最終確認と、本番の時間帯での練習に使う
- 講習と自習で回っているなら、冬から家庭教師を入れる必要はない
- 入れるかどうかは、10月から11月のうちに話し合っておく
今日できること
最後に、ひとつだけお伝えしておきます。
カレンダーに、受ける予定の学校の入試日を書き込んでみてください。そのうえで、塾の日程表が届いたら、年明けの講習が終わる日にも印をつける。その2つの印のあいだが、関西の受験生にとっての最後の準備期間です。その日数が見えると、冬の時期に家庭教師に何を頼めばよいかが、ぐっと考えやすくなるはずです。