1. 結論:第2希望は、選べる学科が決まってから決まります
はじめに立場を明かしておくと、この記事を書いているのはプロ家庭教師をお引き合わせしている側なので、家庭教師を勧める側にいます。そのうえで申し上げると、この記事の内容は制度の読み方が中心で、ご家庭で資料を読んで判断できる部分が、かなりの割合を占めている。読んで筋道が通ったのであれば、それでじゅうぶんです。
奈良の一次選抜では、出願が2つの期間に分かれています。第一出願期間に出願した学校が第1希望校となり、その後の第二出願期間に、もう1校を第2希望校として出願できる。ここまではほかの府県にもある形ですが、奈良には大きな条件がついています。第二出願期間に出願できるのは、第一出願期間における出願者数が募集人員に満たない学科やコースにかぎられるという点です。
これが何を意味するかというと、第一出願期間の締切の時点で定員を超える出願があった学校は、第2希望として選べなくなる、ということ。人気の集まった学校は、その時点で第2希望の選択肢から外れます。ですから奈良では、第2希望を先に決めておくことが、原理的にできない。第1希望をどこに置くかを決め、出願状況が出てから、残された選択肢のなかで第2希望を選ぶ。この順番が、制度に組み込まれているのです。
この順番は、ほかの府県の制度に慣れた方ほど、戸惑いやすいところでしょう。兵庫のように第1志望と第2志望を同時に登録する形であれば、出願の時点で全体の設計を決めきれますが、奈良ではそれができません。第1希望を出したあとに出願状況が明らかになり、そこで初めて第2希望の選択肢が定まる、という二段階の構造になっているからです。したがって出願の準備も、二段階に分けて進めることになります。
2. 令和9年度の実施要項で確定したこと
奈良県教育委員会は2026年9月3日、令和9年度の奈良県立高等学校入学者選抜実施要項を公表しました。一次選抜、二次選抜、通信制課程の選抜、特別選抜、追検査について、応募資格や出願手続き、日程などが定められている。外国人・帰国生徒などの特例措置、調査書の作成要領、県外からの志願者の手続き、各種様式、選抜に関する質疑応答も、掲載されています。
一次選抜の日程は、次のとおり。
| 手続き | 期間・日 |
|---|---|
| 第一出願期間(第1希望校) | 2027年2月8日〜2月16日 |
| 第二出願期間(第2希望校) | 2027年2月17日〜2月19日 |
| 学力検査等 | 2027年2月24日・25日 |
| 合格発表 | 2027年3月8日 |
令和9年度奈良県立高等学校入学者選抜実施要項より。出願は1校1学科(コース)に限られます。
第一出願期間に出願した者にかぎり、第二出願期間に、第2希望校として1校1学科に出願できます。第一出願期間に出願していなければ、第二出願期間だけの出願はできません。ここも、押さえておきたいところでしょう。
3. 第一出願期間と第二出願期間という2段構え
この2段構えの日程は、単なる事務手続きの都合ではありません。第一出願期間が締め切られたあとに出願状況が明らかになり、それを見てから第二出願期間が始まるという順番になっています。つまり、この間に、受験生とご家庭が判断する時間が設けられているわけです。
第一出願期間は2月8日から16日までの9日間、第二出願期間は2月17日から19日までの3日間。学力検査は2月24日と25日なので、第2希望を決めてから検査までは、1週間もありません。この短い期間に、第2希望校の情報を集め、受ける検査の種類を確かめ、気持ちを整えることになる。
ですから、第二出願期間に入ってから初めて考え始めるのでは、間に合いません。第一出願期間の段階で、第2希望の候補をいくつか想定しておき、出願状況が出たらどれを選ぶのかという枠組みだけは先に作っておく。これが、現実的な備え方になるでしょう。
4. 第2希望校に出せる学科が限られる理由
要項に書かれている条件を、もう一度確かめておきます。第二出願期間に出願できるのは、第一出願期間における出願者数が、募集人員に満たない学科やコースだけ。
この条件は、第2希望という枠が何のために置かれているのかを示しています。すでに定員を超える出願がある学校に、さらに第2希望の受験生を受け入れる余地はない。逆に、定員に届いていない学科であれば、第2希望の受験生を迎える余地があります。つまり第2希望は、希望者が定員に満たなかった学科と、行き先を探している受験生とを結びつけるための枠だと考えるのが、制度の趣旨に近いと思います。
結果として、次のようなことが起こります。人気が集まりやすい学校を第2希望として押さえておく、という戦い方は、奈良では成り立たない。志望する学校が2つあって、どちらも人気が高いのであれば、第一出願期間の時点でどちらか一方を選ぶという判断を、避けて通ることができないということです。
ご家庭にとって難しいのは、この条件が、「行きたい学校を2つとも受ける」という発想を通さない点でしょう。志望校を絞るという作業は、どの府県でもいずれ通ることになりますが、奈良ではそれを、第一出願期間という早い段階で、しかも出願状況が見えない状態で行うことになります。気持ちの整理という意味でも、年内のうちに一度は向き合っておきたいところです。
5. これは不利なのか、有利なのか
ここまで読むと、選択肢が狭められているように感じられるかもしれません。ただ、別の見方もできる。
第一に、第2希望を決める時点で、出願状況という実際の数字が手元にあります。定員に対してどれだけの出願があったのかを見てから選べるわけですから、手探りで第2希望を決めるのではなく、根拠のある選択ができるということ。ほかの府県には、出願の時点で倍率が分からないまま順位を決める形もあるので、この点は奈良の利点だと言えるでしょう。
第二に、定員に満たない学科から選ぶということは、その学科で、募集人員に対する競争が相対的に緩やかだということでもあります。もちろん、第2希望の受験生が集まれば状況は変わりますし、合否は検査の成績と調査書で判定されるので、出せば通るという話ではない。それでも、第2希望として選べる学科は、その時点で受け入れの余地が残っている学科だという事実は変わりません。
第三に、この仕組みは、第1希望への集中を促す設計にもなっています。第2希望で人気校を押さえられない以上、行きたい学校は第一出願期間に出すことになるので、迷いを引きずったまま出願するということが、起きにくくなる。制度の側から、志望を一度はっきりさせることを求められていると受け取ることもできます。
6. 第1希望をどこに置くかが、すべての起点になります
ここまでの話をまとめると、奈良の出願設計は、第1希望をどこに置くかで、ほとんど決まってしまうということになります。第2希望は、第1希望を出したあとに残された選択肢のなかから選ぶものなので、先に設計できるのは、第1希望のほうだけです。
では、その第1希望をどう決めるのか。行きたい学校を素直に置くという考え方が、この制度ではいちばん噛み合います。第2希望で上位校を押さえることができない以上、第一出願期間に出す学校が、その年に手を伸ばせる上限になるからです。安全を取って一段下げた学校を第1希望に置くと、その上の学校は、最初から選択肢から消えてしまう。
もちろん、私立の併願校をどう組んでいるかによって、取れるリスクの大きさは変わってきます。私立で通えると思える学校を確保できているのであれば、第1希望で手を伸ばす余地が広がりますし、そうでなければ、慎重にならざるを得ないでしょう。公立の設計だけを切り離して決めることはできませんので、私立とあわせて一度整理していただくとよいと思います。
もうひとつ、第1希望を決めるときに見ておきたいのが、その学校が例年どれくらいの出願を集めているのか、という傾向です。毎年のように定員を超える学校であれば、第2希望として選べる見込みは低いと考えておくことになりますし、定員に届かない年が続いている学校であれば、第2希望の候補として残る可能性がある。もちろん年によって動くので当てにしきることはできませんが、候補を並べるときの目安にはなります。
7. 5教科型と、3教科+学校独自検査型
検査の中身も、学科によって分かれています。全日制課程では、国語・社会・数学・理科・英語の5教科の学力検査を受ける形と、3教科の学力検査に学校独自検査を組み合わせる形がある。
| 学科 | 検査の形 |
|---|---|
| 普通科(特色あるコース等を除く) | 5教科の学力検査+調査書 |
| 普通科以外、および特色あるコース等を設置する普通科 | 5教科の学力検査、または3教科の学力検査+学校独自検査+調査書 |
| 定時制課程 | 国語・数学・英語の学力検査+面接+調査書 |
令和9年度実施要項より。学科やコースによって加重配点を行う場合があります。
普通科であれば、5教科というのが基本の形です。一方、専門学科や特色あるコースでは、3教科にしぼって学校独自検査を組み合わせる、という選択肢が用意されている。志望校がどちらの形を採るのかによって、これから準備する科目の範囲が変わってきますので、早い段階で確かめておきたいところです。
また、学科やコースによっては、加重配点が行われる場合があると要項に記されています。特定の教科の配点を重くするという扱いなので、志望校がそれを行うのであれば、その教科に手を入れる意味が大きくなるでしょう。この点も、募集要項で個別に確かめる必要があります。
8. 学校独自検査という、5種類の選択肢
学校独自検査として実施されるのは、独自問題、口頭試問、作文、面接、実技検査の5種類で、このなかから各校が選んで実施します。
この5つは、求められるものがかなり違う。独自問題であれば共通の学力検査とは別の準備が要りますし、実技検査であればこれまで積み上げてきたものが効いてきますし、作文や口頭試問であれば、自分の考えを言葉にする練習が要ります。どれが有利かという一般論はありませんので、志望校が何を実施するのかを調べて、それが本人の持ち味を見せやすい形なのかどうかを考えることになります。
3教科型を選ぶと、5教科型に比べて、学力検査の科目が2つ減ります。そのぶん学校独自検査の準備が加わるので、負担が減るとはかぎらない。ただし、社会や理科に苦手が残っている場合には、この形が噛み合うこともあるでしょう。科目の得意不得意と、独自検査の中身との組み合わせで判断することになります。
加重配点についても、ひとこと補足しておきます。これは特定の教科の配点を重くするという扱いなので、志望校がその教科を重く見ているのであれば、そこに手を入れた分が、そのまま検査の成績に効いてくる。逆に、加重される教科が本人の苦手な教科であれば、同じ学力でも不利に働くことがあります。募集要項を見て、どの教科が重くなるのかを確かめておくと、2学期以降の時間の配り方が決めやすくなります。
9. 一本化されたという経緯を押さえておく
奈良の入試は、2026年度から形が変わっています。それまで2月の特色選抜と3月の一般選抜に分かれていたものが、一本化されて一次選抜になった。令和9年度も、この一次選抜として実施されます。
お兄さんお姉さんが受験されたご家庭ほど、以前の形が頭に入っているかもしれません。特色選抜で先に挑戦して、届かなければ一般選抜で立て直す、という二段構えは、いまはない。一次選抜のなかで、第1希望と第2希望という形に整理されています。ここを取り違えると、出願の組み方そのものを誤ってしまうでしょう。
なお、令和8年度入試では、スポーツ・文化活動特別選抜や中高連携教育推進特別選抜は実施されていません。全国募集、インクルーシブ教育推進、成人を対象とした特別選抜は、一次選抜とは別の枠組みとして、要項に定められている。該当する可能性があるのであれば、要項の当該箇所を直接ご確認ください。
また、3教科型を選んだ場合でも、中学校の学習そのものは5教科すべてで進んでいきますし、調査書には9教科の評定が記載されます。ですから理科や社会を捨てるという話にはなりませんし、定期テストへの取り組みも変わらない。あくまで、当日の検査で何を受けるかという話だと受け止めておいてください。この違いを混同すると、2学期の過ごし方そのものを誤ることになります。
10. 調査書と、中1からの評定
選考は、検査の成績と調査書の成績、そして調査書のその他の記載事項を資料として、総合的に行われます。調査書には中学1年生からの評定が記載されるので、受験学年だけの成績で決まるわけではない。
調査書には、教科の評定のほかに、中学校生活での取り組みや、検定・資格に関する記載が含まれることもあります。ただし、加点のために無理をして資格を取りにいく必要はありません。できる範囲で取り組めるものがあれば積極的に、という程度の受け止め方が、ちょうどよいと思います。
内申そのものを上げる考え方については、内申点が足りないとどうなるかのほうで、定期テストや提出物の扱いまで整理していますので、そちらをご覧ください。この記事で扱っているのは、出願をどう設計するか、という部分です。
調査書のその他の記載事項が資料として使われるという点も、押さえておきたいところです。これは評定以外の記録、たとえば中学校生活での活動や取り組みの様子が、選考の資料に含まれるということ。検査の成績と調査書の成績を軸にしながら、そこに人物としての記録が加わる形です。数字だけで決まるわけではないという設計ですので、日々の学校生活そのものが評価の対象に含まれていると考えておいてください。
11. 日程を、先に1枚にまとめておく
奈良の一次選抜は、出願が2段階に分かれている分、把握しておく日付が多くなります。第一出願期間の締切、出願状況の公表、第二出願期間、学力検査、合格発表——この5つに、私立の入試日と合格発表、入学手続きの期限が重なってくる。
年内のうちに、これらを1枚の表にまとめておかれることをおすすめします。とくに大事なのが、私立の入学手続きの期限が、公立の合格発表より前に来るかどうかという点です。ここが重なると、公立の結果を待たずに手続きの判断をすることになるので、費用の面でも心の準備の面でも、あらかじめ知っておくのとそうでないのとでは、大きく違ってくるでしょう。
出願手続きの方法や必要な書類も要項に定められているので、こちらも事前に目を通しておいてください。県外からの志願者については別途の手続きが定められていて、該当する場合は、そちらもあわせて確かめておく必要があります。
あわせて、学力検査そのものについても、現場の感覚をひとつ書いておきます。同じ問題でも、正攻法で押していけば答えは出るけれども時間がかかる、という形があり、限られた時間のなかでは、その差が積み重なっていく。速く解けるかどうかは、時間の配り方を工夫したかどうかではなく、その問題の形に応じた解き方を知っているかどうかで決まってくることが多く、しかもその解き方は、問題集の解説には載っていないこともあります。過去問を解いて点が伸びないときは、演習量よりも解き方の引き出しを疑ってみてください。
12. 9月の時点でできること
いまが9月であれば、2学期の成績は、これから付きます。同時に、出願の設計について考え始められる時期でもあるでしょう。
まずやっていただきたいのは、行きたい学校を、素直に3つほど書き出してみることです。そのうえで、それぞれが5教科型なのか3教科+学校独自検査型なのかを調べ、独自検査を実施するのであれば、何を実施するのかも確かめておく。この段階で、準備すべき科目の範囲が見えてきます。
次に、そのなかのどれを第1希望に置くのかを、仮でよいので決めてみます。第2希望は出願状況が出るまで確定できないので、ここで決められるのは第1希望だけ。仮に決めておくと、そこまでの距離を、模試の得点で測れるようになります。使える時間はご家庭ごとに違いますし、部活動がいつまで続くかによっても変わってくるので、この記事では、何時間必要といった計算はしません。
そしてもうひとつ、志望校を書き出すときに大事にしていただきたいことがあります。制度の条件から逆算して学校を選ぶと、どうしても通りやすさが基準になってしまいますが、通ったあとに3年間を過ごすのはご本人です。学校の中身や通学のしやすさ、部活動や進路の傾向といった部分を先に見て、そのうえで制度の条件を当てはめていく。順番としては、こちらのほうが後悔が少ないように思います。制度は選び方を助ける道具であって、選ぶ理由そのものではないのです。
13. 兵庫・大阪・京都と、考え方がどう違うか
近畿のなかでも、府県によって、制度の考え方はかなり違います。転居や府県をまたいだ通学を考えているご家庭からは、この違いについてのご相談をいただくこともある。
| 府県 | 複数校への出願 | 第2希望の選び方 |
|---|---|---|
| 奈良県 | 第1希望・第2希望の2校 | 定員に満たない学科からのみ |
| 兵庫県 | 第1志望・第2志望 | 自由に登録できるが加算点なし |
| 京都府 | 最大4校4学科 | 独自枠1校+共通枠3校 |
| 大阪府 | 1校 | — |
それぞれの詳細は、府県ごとの記事にまとめています。
とくに兵庫との違いは、はっきりしています。兵庫では第2志望を自由に登録できますが、判定のときに第1志望加算点が乗らないので、その分だけ不利な位置から競うことになる。奈良は、そもそも人気校を第2希望に選べません。同じ「第2希望が出せる」という言葉でも、意味するところがまったく違うのです。
兵庫については第1志望加算点の記事、大阪については倍率タイプの記事、京都については2027年度からの新制度の記事にまとめています。他府県のご家庭の体験談や、インターネットで見かける助言をそのまま当てはめると前提がずれますので、それがどの府県のどの選抜についての話なのかを、先に確かめる癖をつけておかれるとよいでしょう。
14. この判断を、誰と一緒にやるか
ここまでお読みいただいて、制度の仕組みを押さえるところまでは、ご家庭で進められそうだと思われたのではないでしょうか。日程も検査の形も要項に書かれていますし、志望校がどの形を採るのかも、調べられる。
一方で、第1希望をどこに置くかという判断になると、いまの答案を見ないと、言えることは限られてきます。学力検査でどれくらい取れる状態にあるのか、どの教科のどの形の問題で止まっているのか、3教科型と5教科型のどちらが噛み合うのか——こうしたことは、総合の偏差値だけでは見えてこない。
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在籍状況は時期により変わります。お住まいの地域と志望校に合う教師が担当できるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。
ご相談いただいた場合にうかがうのは、直近の模試の結果、2学期の成績、志望校の候補、そして私立の併願をどう考えているかという4点です。ここから、第1希望をどこに置けるのかを一緒に整理してお返しします。
いまの進め方で問題ないと判断される場合は、そうお伝えしますし、その場合、家庭教師を入れる必要はありません。
ここまで読んで、どれが近いですか
奈良の県立高校について、よくうかがうのがこの5つです。当てはまるものはありますか。
- 第1希望をどこまで伸ばせるか判断がつかない模試の得点と私立の併願状況から、一緒に見極めます。
- 3教科型と5教科型のどちらが合うか分からない科目の得意不得意と独自検査の中身を照らして考えます。
- どの教科に手を入れると点が動くのか分からない答案を見せていただければ、手をつける順番をお伝えします。
- 第2希望に出せる学科の条件を知りたいこの記事の第4章に書いています。相談は不要です。
- 一次選抜の日程を知りたい第2章に表を載せています。
「奈良の県立を考えている」。学年と、直近の模試の結果だけでもお話をうかがえます。
それでも、一度お話を聞かせてください
制度の仕組みまでは整理できそうだと思われたかもしれません。ただ、第1希望をどこに置くかという段階で手が止まったかもしれません。
奈良では第2希望に人気校を選べませんので、第一出願期間に出した学校が、その年に手を伸ばせる上限になります。ここを一段下げるかどうかの判断は、ご家族だけで抱えるには重いところだと思います。
学年と、直近の模試の結果を一言いただければ、こちらで整理してお返しします。その場で決めていただく必要はありません。いまの進め方で問題ないと判断される場合は、そうお伝えします。
力になれることがあるなら、なりたいと思っています。
合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件や地域によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。
この記事を書いた理由
最後に、なぜこの記事を書いたのかを書いておきましょう。奈良の第2希望の条件は要項に書かれていることですが、受験の設計にどう跳ね返るのかというところまで書かれた記事は、あまり見当たりませんでした。第2希望に人気校を置けないという一文は、読み流せば小さな注記に見えますが、実際には、出願の組み方そのものを決めてしまう条件です。公表された要項と、目の前の志望校リストのあいだをつなぐものが要るのではないかと思い、この記事をまとめました。
この記事で扱っていないこと
断っておくと、この記事では私立高校の入試については扱っていませんし、各高校の合格ラインが何点あたりにあるのかという数字も出していない。合格ラインは公表されている数字ではなく、年度によっても動くので、模試の資料や中学校で示される目安を使っていただくほうが確かです。また、どの高校がどの検査の形を採るのかという一覧も載せていません。学校ごとの募集要項で確認していただくほうが正確ですし、年度によって変わりうるものだからです。この記事でお伝えしたかったのは、公表された枠組みをどう読めばよいのか、という部分になります。
ご相談のときに、あると助かるもの
次のものがあると整理が速くなりますが、写真で撮ったもので十分でしょう。
- 直近の模試の結果(教科別の得点が分かるもの)
- 1学期の成績表(9教科の評定が分かるもの)
- 志望校の候補(検査の形が分かっていればそれも)
- 私立の併願をどう考えているか
奈良では、とくに4つ目が判断に効きます。私立で通えると思える学校を確保できているかどうかで、第1希望にどこまで手を伸ばせるかが変わってくるからです。公立の制度だけを見ていても、そこは決まらない。私立の結果が出てから公立の出願が始まるという順番も、あわせて確かめておいてください。
まとめ:奈良は、第1希望の置き方で決まります
この記事の要点
- 一次選抜では第1希望校と第2希望校の2校に出願できる
- 第二出願期間に出せるのは、第一出願期間の出願者数が募集人員に満たない学科のみ
- そのため人気が集まった学校は、第2希望の選択肢から外れる
- 第一出願期間に出願した者にかぎり、第二出願期間に出願できる
- 出願状況を見てから第2希望を選べるという利点もある
- 日程は第一出願2月8日〜16日、第二出願2月17日〜19日、学力検査2月24日・25日、発表3月8日
- 普通科は5教科の学力検査、それ以外は5教科または3教科+学校独自検査
- 学校独自検査は独自問題・口頭試問・作文・面接・実技検査の5種類から各校が選ぶ
- 学科やコースによって加重配点が行われる場合がある
- 2026年度から特色選抜と一般選抜が一本化され、一次選抜になった
今日できること
最後に、ひとつだけお伝えしておきます。
行きたい学校を3つ書き出して、そのなかで「ここが第1希望だ」と言えるものがあるかどうか、確かめてみてください。奈良では第2希望に人気校を置いて様子を見るということができませんので、第1希望を決めることが、そのまま受験の設計を決めることになります。決めきれないのであれば、何が引っかかっているのかを、言葉にしてみてください。通学の距離なのか、学力の見通しなのか、それとも周りの声なのか——引っかかりの正体が分かれば、そこから先の話は進んでいくはずです。