学校別の入試対策

同じ「中学受験」でも、学校ごとに問われるものは違います

志望校が決まったら、次に見るべきは偏差値ではなく入試の設計です。
科目の数、配点の傾斜、試験日が1日か2日か、コース制があるか。
ここが変われば、力を入れる場所も、家庭で用意すべきものも変わります。

公開中の学校別対策

各校の入試構造と、どこで点差がつくのかを整理しています

灘中学校|算数

1日目と2日目で問われる力が変わる設計。短答と記述、それぞれの対策を分けて整理します。

甲陽学院中学校

2日間・5考査・500点。両日がほぼ同じ形式であることの意味と、灘との選択の判断軸。

東大寺学園中学校

3教科と4教科の選択制。社会を受ける価値があるかを、換算式から計算で判定します。

洛南高等学校附属中学校

専願か併願かで合格点が39点変わる設計。男女で異なる合格ラインと、3教科・4教科の選び方を数字で整理します。

西大和学園中学校

男子180名・女子40名という定員差と、4科・3科の5/4倍ルール。社会が保険として機能する仕組みを数字で解説します。

大阪星光学院中学校

Ⅰ型は4科合計・国算理×1.25・国算社×1.25の3通りから最高点を採用。理科と社会のどちらが低くても救済される設計を、計算で読み解きます。

神戸女学院中学部

兵庫県下で4科必須はこの学校のみ。体育実技20点を含む460点満点の構成と、日曜を空ける日程が併願に与える影響を整理します。

六甲学院中学校

A日程が不合格でもB日程で10点加算。ただし算数の受験者平均は1年で30.7点動きます。加点の3.1倍という振れ幅をどう見るかを整理します。

洛星中学校

2027年度からB日程が統一入試日2日目へ前倒し。理社は各80点に統一され、4科型は国算理×1.25との高いほうで判定されます。社会が切り捨てられる分岐点を数字で整理します。

四天王寺中学校

3教科型の計算式は4教科型に含まれており、社会は最後の科目です。専願と併願の差は3年とも15〜16点。英数コースの合格者がどこから来ているのかまで整理します。

高槻中学校

A日程の合否が出る1月17日の午後に、B日程の試験があります。結果を見てから受けるかを決められる日程と、5区分すべてで算数に差がついた2026年度の結果、新設の特待生制度まで整理します。

神戸大学附属中等教育学校

私立の4教科とは違う適性検査。2027年度は学びの報告書が当日25分の作文に変わります。3年分の公表データから読める合格ラインと、自然環境・市民社会の選び方、1月23日の誓約書までを整理します。

開成中学校

合格者最低点は5年で199点から237点まで動きます。過去問の合計は同じ年度の最低点と、科目ごとは同じ年度の平均と比べる読み方と、公表データから逆算した合格者と不合格者の差を整理します。

桜蔭中学校

入試結果として公表されているのは人数だけで、合格者最低点も平均点もありません。過去問を自分の答案どうしで読む方法と、面接・報告書・保護者会など点数以外の段取りを整理します。

麻布中学校

公表されているのは最高点と最低点まで。最低点は直近3年で200点中102〜105点。過去問を同じ年度の最低点と比べる読み方と、4教科の記述の失点を「空欄・途中まで・ずれ」に分ける見方、算数の小問のつながりを整理します。

女子学院中学校

4教科すべて40分・100点で、理科と社会が400点の半分を占めます。最低点も平均点も公表されないなかで、どこで時間が切れ、どこで迷ったかを答案から読む方法と、算数の解答用紙の様式変更、通学条件までを整理します。

順次公開します

関西の最難関校・中堅校、関東の難関校について、登録教師の指導実績がある学校から順に公開していきます。

関西と関東で、考え方が変わる

学校別の対策を考えるとき、地域による前提の違いを押さえておきたいところです。同じ「中学受験」という言葉でも、動き方が違います。

関西:日程が短期間に集中する

関西の私立中学入試は、1月中旬の統一入試日に解禁され、そこから数日のあいだに複数校の受験が進みます。最初の数日で結果がほぼ確定する構造です。午前と午後で別の学校を受けることもあり、体力の配分まで設計に入ります。

この短期集中の日程は、逆算にも影響します。首都圏の情報をそのまま持ち込むと、2週間ほど遅れます。「9月から過去問を10年分」という計画が関西では成立しにくいのは、この日程差のためです。

関東:受験機会が複数回ある

関東では2月1日からの数日に主要校の入試が並び、同じ学校が複数回の入試を設定していることもあります。1回目で届かなくても2回目がある、という組み方が可能です。そのぶん受験校数が多くなり、日程の組み方そのものが戦略になります。

当ネットワークには関東で難関校の指導実績を持つ教師も登録しています。関東の学校についても、実績のある学校から順に記事を公開していきます。

学校別の対策記事を、どう使うか

学校別の情報は、集めるほど安心できるものではありません。かえって判断が鈍ることもあります。読む順序を決めておいてください。

1. まず「科目構成」を見る

3科目なのか4科目なのか。ここで学習時間の割り振りが決まります。社会が課されない学校を第一志望にするなら、社会に充てる時間は併願校のためのものになります。受験校の組み合わせが、そのまま週の時間割を決めます。

2. 次に「日程」を見る

関西の中学入試は1月中旬の統一入試日から数日で進みます。首都圏より2週間ほど早い日程です。同じ日に試験がある学校は併願できませんから、日程を見た時点で受験できる組み合わせは限られます。第一志望を決める前に、日程表を作っておいてください。

3. そのうえで「配点」を見る

全科目が同じ配点の学校と、算国に傾斜がかかる学校では、優先すべき科目が変わります。理科が1日目だけに置かれている学校なら、その1回で決まります。配点は、どこに時間をかけるかを教えてくれる表です。

4. コース制のある学校は、コースから考える

中堅校を中心に、複数のコースを持つ学校があります。同じ学校でも、コースによって必要な得点も入学後の進度も変わります。「その学校に入れるか」ではなく「どのコースに入るか」が実際の論点になる場面が少なくありません。ここは外から見えにくいため、判断を誤りやすい部分です。

学校別の対策は、いつから始めるか

「早いほうがよい」とは限りません。学校別の対策が効くのは、基礎が一定の水準に達してからです。順序を間違えると、形式に慣れるだけで得点が動きません。

目安となる順序
① 単元の穴を埋める(6年夏まで)
② 志望校を絞る(9〜10月)
③ 学校別の形式に合わせる(10月以降)
④ 日程と併願を確定させる(11〜12月)

①が終わらないまま③に進むご家庭が、毎年いらっしゃいます。気持ちはよく分かります。志望校の過去問を解けば、対策が進んでいる感覚が得られるからです。ただ、解けない原因が単元の穴にある場合、過去問を何年分解いても同じ場所で止まります。

逆に、②を先送りにするのも損失になります。志望校が定まると、鍛える形式が絞れて対策の密度が上がります。決めきれないまま秋を過ごすのが、最も効率の悪い時間の使い方です。

偏差値だけで決められない理由

模試の偏差値は、その模試を受けた集団の中での位置を示す数字です。学校ごとの出題の癖までは映しません。だから、偏差値が届いていても相性の悪い出題形式の学校がある一方で、届いていなくても形式が合っていて合格する子もいます。

実際に判断材料になるのは、その学校の過去問を解いたときの得点です。同じ年度の過去問を志望校と併願候補の両方でそろえて解き、得点率を比べてください。模試の判定より、実際の答案のほうが多くを語ります。

学校別の記事を読む前に確認しておきたいこと

  • 学校が公表している募集要項を、必ず一次情報として確認する(日程・科目・配点は年度により変わります)
  • お子さまの直近の過去問の得点を、科目ごとに書き出しておく
  • 通っている塾のカリキュラムで、志望校の頻出単元をいつ扱うかを把握しておく

よくある質問

学校別の対策は、いつから始めるべきですか?
単元の穴が埋まってからです。目安としては6年生の夏までに基礎を固め、9〜10月に志望校を絞り、10月以降に学校別の形式へ合わせていく順序になります。基礎に穴がある状態で過去問に入っても、同じ場所で止まるだけで得点は動きません。志望校の決定を先送りにすることも損失になりますので、秋のうちに絞ってください。
偏差値が届いていない学校の対策をしても意味がありますか?
意味があります。模試の偏差値はその模試を受けた集団の中での位置を示す数字で、学校ごとの出題の癖までは映しません。偏差値が届いていても形式が合わない学校がある一方、届いていなくても形式が合っていて合格する子もいます。判断材料になるのは、その学校の過去問を解いたときの実際の得点です。志望校と併願候補の両方を同じ年度でそろえて解き、得点率を比べてください。
中堅校でも学校別の対策は必要ですか?
必要ですが、最難関校とは中身が変わります。中堅校では出題の型が比較的安定しているため、過去問の年数は3〜5年分を丁寧に2周するほうが効果的です。そのぶん基本問題の反復に時間を回してください。また複数のコースを持つ学校では、どのコースを狙うかによって必要な得点も入学後の進度も変わります。学校を選ぶ段階からコースまで含めて考えることになります。
記事に載っていない学校について相談できますか?
できます。記事の公開は登録教師の指導実績がある学校から順に進めていますので、まだ記事のない学校についてもご相談を承ります。教育相談フォームから志望校と現在の状況をお知らせください。過去問の得点を科目ごとに書き出したものがあれば、より具体的にお伝えできます。

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