学校別の入試対策
同じ「中学受験」でも、学校ごとに問われるものは違います
志望校が決まったら、次に見るべきは偏差値ではなく入試の設計です。
科目の数、配点の傾斜、試験日が1日か2日か、コース制があるか。
ここが変われば、力を入れる場所も、家庭で用意すべきものも変わります。
公開中の学校別対策
各校の入試構造と、どこで点差がつくのかを整理しています
灘中学校|算数
1日目と2日目で問われる力が変わる設計。短答と記述、それぞれの対策を分けて整理します。
甲陽学院中学校
2日間・5考査・500点。両日がほぼ同じ形式であることの意味と、灘との選択の判断軸。
東大寺学園中学校
3教科と4教科の選択制。社会を受ける価値があるかを、換算式から計算で判定します。
洛南高等学校附属中学校
専願か併願かで合格点が39点変わる設計。男女で異なる合格ラインと、3教科・4教科の選び方を数字で整理します。
西大和学園中学校
男子180名・女子40名という定員差と、4科・3科の5/4倍ルール。社会が保険として機能する仕組みを数字で解説します。
順次公開します
関西の最難関校・中堅校、関東の難関校について、登録教師の指導実績がある学校から順に公開していきます。
関西と関東で、考え方が変わる
学校別の対策を考えるとき、地域による前提の違いを押さえておきたいところです。同じ「中学受験」という言葉でも、動き方が違います。
関西:日程が短期間に集中する
関西の私立中学入試は、1月中旬の統一入試日に解禁され、そこから数日のあいだに複数校の受験が進みます。最初の数日で結果がほぼ確定する構造です。午前と午後で別の学校を受けることもあり、体力の配分まで設計に入ります。
この短期集中の日程は、逆算にも影響します。首都圏の情報をそのまま持ち込むと、2週間ほど遅れます。「9月から過去問を10年分」という計画が関西では成立しにくいのは、この日程差のためです。
関東:受験機会が複数回ある
関東では2月1日からの数日に主要校の入試が並び、同じ学校が複数回の入試を設定していることもあります。1回目で届かなくても2回目がある、という組み方が可能です。そのぶん受験校数が多くなり、日程の組み方そのものが戦略になります。
当ネットワークには関東で難関校の指導実績を持つ教師も登録しています。関東の学校についても、実績のある学校から順に記事を公開していきます。
学校別の対策記事を、どう使うか
学校別の情報は、集めるほど安心できるものではありません。かえって判断が鈍ることもあります。読む順序を決めておいてください。
1. まず「科目構成」を見る
3科目なのか4科目なのか。ここで学習時間の割り振りが決まります。社会が課されない学校を第一志望にするなら、社会に充てる時間は併願校のためのものになります。受験校の組み合わせが、そのまま週の時間割を決めます。
2. 次に「日程」を見る
関西の中学入試は1月中旬の統一入試日から数日で進みます。首都圏より2週間ほど早い日程です。同じ日に試験がある学校は併願できませんから、日程を見た時点で受験できる組み合わせは限られます。第一志望を決める前に、日程表を作っておいてください。
3. そのうえで「配点」を見る
全科目が同じ配点の学校と、算国に傾斜がかかる学校では、優先すべき科目が変わります。理科が1日目だけに置かれている学校なら、その1回で決まります。配点は、どこに時間をかけるかを教えてくれる表です。
4. コース制のある学校は、コースから考える
中堅校を中心に、複数のコースを持つ学校があります。同じ学校でも、コースによって必要な得点も入学後の進度も変わります。「その学校に入れるか」ではなく「どのコースに入るか」が実際の論点になる場面が少なくありません。ここは外から見えにくいため、判断を誤りやすい部分です。
学校別の対策は、いつから始めるか
「早いほうがよい」とは限りません。学校別の対策が効くのは、基礎が一定の水準に達してからです。順序を間違えると、形式に慣れるだけで得点が動きません。
目安となる順序
① 単元の穴を埋める(6年夏まで)
② 志望校を絞る(9〜10月)
③ 学校別の形式に合わせる(10月以降)
④ 日程と併願を確定させる(11〜12月)
①が終わらないまま③に進むご家庭が、毎年いらっしゃいます。気持ちはよく分かります。志望校の過去問を解けば、対策が進んでいる感覚が得られるからです。ただ、解けない原因が単元の穴にある場合、過去問を何年分解いても同じ場所で止まります。
逆に、②を先送りにするのも損失になります。志望校が定まると、鍛える形式が絞れて対策の密度が上がります。決めきれないまま秋を過ごすのが、最も効率の悪い時間の使い方です。
偏差値だけで決められない理由
模試の偏差値は、その模試を受けた集団の中での位置を示す数字です。学校ごとの出題の癖までは映しません。だから、偏差値が届いていても相性の悪い出題形式の学校がある一方で、届いていなくても形式が合っていて合格する子もいます。
実際に判断材料になるのは、その学校の過去問を解いたときの得点です。同じ年度の過去問を志望校と併願候補の両方でそろえて解き、得点率を比べてください。模試の判定より、実際の答案のほうが多くを語ります。
学校別の記事を読む前に確認しておきたいこと
- 学校が公表している募集要項を、必ず一次情報として確認する(日程・科目・配点は年度により変わります)
- お子さまの直近の過去問の得点を、科目ごとに書き出しておく
- 通っている塾のカリキュラムで、志望校の頻出単元をいつ扱うかを把握しておく
よくある質問
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