1. 西大和で最初に確かめること
西大和学園中学校を志望校に入れるとき、算数の解法より先に確かめておきたいことが2つあります。
出願前に決まっていること
- 募集定員——男子約180名、女子約40名(2026年度)
- 4科か3科か——4科で出願すると、有利な計算方法が自動で適用される
※西大和学園中学校が公表している2026年度(令和8年度)生徒募集要項による。
この2つはどちらも過去問を解く前に確かめられますし、募集要項を1回読めば済む話です。
1つ目は、志望校リストの組み方そのものに関わってきます。男女で定員が4倍以上違う学校は、関西の最難関校では珍しい設計です。
2つ目は出願書類の記入で決まるのですが、この学校の場合、4科で出願しておくほうが下振れしません。理由は第3章で書きます。
この2つが決まると、社会にかける時間も演習の対象も自動的に決まってきます。逆に曖昧なままだと、秋の3か月をなんとなく過ごすことになりかねません。
この記事では、まず入試の骨格を数字で押さえたうえで、独特の得点計算、全国会場という選択肢、科目ごとの攻め方を順に整理していきます。読み終えたときに、次の一手が1つ決まっている状態を目指しました。
この2つを決めると、あとが楽になる
順序の話から始めます。多くのご家庭は、志望校が決まると過去問を買い、算数の傾向を調べるところから入りますが、これはごく自然な流れでしょう。
ただ西大和の場合、その前に受験区分を決めておくと後がぐっと楽になります。4科で受けると決まっていれば、社会の目標点が計算で出せるからです。目標さえ出れば、あとは時間配分だけの話になります。
逆にここを決めないまま演習を積むと、社会に時間をかけすぎるか、手を抜きすぎるかのどちらかに寄ってしまいます。出願区分は事務手続きではなく、秋の時間配分を決める起点だと捉えてください。
2. 入試の骨格を数字で押さえる
| 科目 | 時間 | 配点 | 時間帯 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 60分 | 150点 | 15:00〜16:00 |
| 算数 | 60分 | 150点 | 16:10〜17:10 |
| 理科 | 40分 | 100点 | 17:20〜18:00 |
| 社会 | 40分 | 100点 | 18:10〜18:50 |
| 合計 | — | 500点満点 | — |
※2026年度本校入試の公表内容。日程・配点は年度により変わります。募集要項でご確認ください。
午後から夜にかけての入試
この時間割でまず目に入るのは、15時開始で終了が18時50分という点で、関西の最難関校では珍しい形です。
灘や甲陽学院は午前開始ですので、体内時計がまったく違ってきます。朝から集中を保つ練習をしてきた子が、夕方にピークを持ってこられるとは限りません。
直前期には、同じ時間帯で過去問を解いてみてください。15時に国語を始めて、18時50分に社会を終える。この通し練習を2回か3回やっておくだけで、当日の見え方が変わってきます。
もう1つ、この時間帯だと当日の午前と昼の過ごし方にも設計が要ります。早く起きすぎると本番前に疲れますし、寝すぎると頭が動きません。12月の通し練習では、朝からの過ごし方も含めて再現してみてください。
夕食の扱いも決めておきたいところです。18時50分終了ですので当日は食べるタイミングが読みにくく、軽く何かを入れるか終わってからにするか、本番前に一度試しておくのが確かです。
3. 5/4倍ルール——社会が「保険」になる仕組み
西大和の得点計算には他校にない仕組みがあり、学校の募集要項には、こう書かれています。
4科受験は、4教科合計と国語・算数・理科の5/4倍の高いほうを総合点とする。
3科受験は、国語・算数・理科の合計の5/4倍を総合点とする。
これを言い換えると、次のようになります。
| 受験型 | 総合点の決まり方 |
|---|---|
| 4科受験 | 「国算理社の合計」と「国算理×1.25」の高いほう |
| 3科受験 | 「国算理×1.25」のみ |
数字で確かめる
仮の点数で計算してみます。国語110点、算数100点、理科70点だったとすると、国算理の合計は280点になり、これを1.25倍すると350点です。
| 社会の得点 | 4教科合計 | 国算理×1.25 | 採用される総合点 |
|---|---|---|---|
| 85点 | 365点 | 350点 | 365点(4科合計) |
| 70点 | 350点 | 350点 | 350点(同点) |
| 50点 | 330点 | 350点 | 350点(3科換算) |
| 20点 | 300点 | 350点 | 350点(3科換算) |
※説明のための例です。実際の配点・計算方法は募集要項でご確認ください。
この表から分かることがあります。社会が「国算理の合計の4分の1」を上回れば加点になり、下回っても総合点は下がりません。
上の例で言えば、国算理の合計280点の4分の1は70点です。社会が70点を超えれば4教科合計が採用されて得をしますし、70点を下回っても3科換算の350点が守られます。
分岐点の求め方
では社会が何点あれば得をするのか、これは計算で出せます。
社会の分岐点 = 国語・算数・理科の合計 ÷ 4
この点数を超えれば4教科合計が採用され、下回れば3科換算が採用されることになります。
なぜ4で割るのか。国算理の合計をAとすると、3科換算はA×1.25、4教科合計はA+社会です。A+社会>A×1.25となるのは社会>A×0.25のときですので、合計の4分の1が分岐点になります。
国算理で280点なら70点、320点なら80点、240点なら60点。国算理の得点が上がるほど、社会に求められる点も上がっていきます。
この仕組みが生まれた背景
なぜこういう計算方法になっているのか、学校が公表しているわけではありませんが、構造から読み取れることはあります。
西大和は全国から受験生を集める学校で、札幌から沖縄まで会場を置き、寮も備えています。地域によって、社会の学習の進み方は違ってきます。関西の塾で標準的に扱われる内容と、他地域で扱われる内容にはずれがあるからです。
この仕組みであれば、社会の準備が十分でない受験生も不利になりません。全国から受験生を受け入れる設計と、この計算方法は噛み合っています。
そう考えると、この学校が何を測ろうとしているかも見えてきます。国語・算数・理科で確かな力があるか、社会はそこに上乗せがあれば評価する——優先順位のはっきりした設計です。
だから4科で出願する
この仕組みがある以上、4科で出願しておくほうが下振れしません。社会が得意なら加点され、苦手でも損をしない構造だからです。
3科で出願する理由があるとすれば、当日の負担を減らすことくらいでしょう。社会の40分ぶん、終了が18時10分になります。ただし、その40分と引き換えに加点の機会を捨てることにもなります。
※出願区分の詳しい条件は年度により変わります。募集要項で最新の情報をご確認ください。
算数が崩れた場合はどうなるか
逆に、算数が振るわなかった場合も計算しておきます。
国語110点、算数60点、理科70点だったとすると、国算理の合計は240点、1.25倍で300点になり、合計の4分の1は60点です。この場合、社会が60点を超えれば4教科合計のほうが高くなります。
算数が崩れると、3科換算の総合点そのものが下がります。350点だったものが300点になるわけです。社会の分岐点は70点から60点に下がりますが、届く総合点は50点低いままになります。
ここから分かることがあります。算数の失点を社会で埋めるのは、この学校では効率が悪い。算数の1点は1.25倍されるのに対し、社会の1点は1倍のままだからです。算数で40点落とすと総合点は50点減り、社会で取り返すには50点ぶんが要ることになります。
社会の学習をどう位置づけるか
この構造を知っていると、社会にかける時間の考え方そのものが変わってきます。
目標は国算理の合計の4分の1を上回ることであって、満点を狙う必要はありません。国算理の合計が280点なら、社会は70点を超えればよい計算になります。
逆に、社会に時間をかけすぎて算数が薄くなるのは損です。算数は150点満点で、しかも5/4倍の対象に入っていますので、算数の10点は社会の10点より重い場面があります。
4. 男子180名・女子40名という設計
2026年度の募集定員は、学校の公表によると男子約180名、女子約40名です。他会場の募集定員を含んだ数字として要項に記載されています。
関西の最難関校の中でも、この男女差ははっきりしています。女子の枠が男子の4分の1以下という設計です。この前提を知らないまま志望校リストを組むと、あとで組み直すことになります。
この数字をどう受け止めるか
男子180名に対して女子40名という差を見て、女子のご家庭が受験そのものをためらうこともあります。
ただ、定員が少ないことと合格しにくいことは、そのままイコールではありません。倍率を決めるのは定員と出願者数の比ですので、女子の出願者数も男子より少なければ、倍率の差は定員の差ほど開かないこともあります。
数字を見るときは、定員だけでなく男女別の出願者数・受験者数・合格者数まで確認しておきたいところです。学校の公表資料や塾の入試結果資料に載っていることがあります。
志望校リストの組み方が変わる
女子のお子さまが西大和を志望する場合は、この事実を前提に併願を組んでください。定員が限られているぶん、合格を確保する学校を別に用意しておく設計が現実的です。
ただし、定員だけで倍率は決まりません。出願者数も男女で異なりますので、実質倍率は年度ごとに変わります。最新の入試結果は、学校の公表資料でご確認ください。塾から配られる資料にも、男女別のデータが載っていることがあります。
女子で受ける場合の情報の集め方
女子のご家庭にとって判断材料が少ないのは事実で、定員40名という規模ですので、周囲に受験経験者が少なくなります。
集められるものを挙げておきます。学校の入試結果(男女別が公表されていれば)、塾の入試報告会の資料、学校説明会での質疑。説明会では、男女別の状況を直接尋ねることもできます。
そして在校生の様子も見てみてください。文化祭や説明会で女子生徒がどう過ごしているか、数字では分からない部分が、ここで見えてくることがあります。
目標点の置き方
男女で合格に必要な点が異なる年度もあります。過去問を解いて合格最低点と比べるときは、男女別の数字が公表されていればそちらを基準にしてください。全体の数字だけで判断すると、目標が甘くなることがあります。
5. 全国会場入試という、もうひとつの選択肢
西大和には、本校以外で受験できる入試もあります。
学校の公表によると、2026年度は札幌・東京・東海・岡山・広島・高松・福岡・沖縄の会場で入試が実施されます。本校会場が1月中旬の統一解禁日であるのに対し、全国会場は1月上旬に行われます。
関西のご家庭にとっての意味
関西在住であっても全国会場を受験することは可能で、日程が早いため統一日前の受験機会として使えます。
ただし、判断は慎重にしてください。移動と宿泊の負担がありますし、本番の空気を1月上旬に経験することにもなります。
| 使う場合の利点 | 負担になる点 |
|---|---|
| 統一日前に本番を経験できる | 移動と宿泊の時間・費用 |
| 合格を持った状態で1月中旬を迎えられる | その時点での仕上がりが問われる |
| 西大和の出題形式に本番で慣れられる | 不合格だった場合、気持ちに響く |
仕上がりが間に合っていない段階で受けると、不合格という結果だけが残ってしまいます。本人の状態によっては、受けないほうがよいこともあります。
※実施会場・日程・出願方法は年度により変わります。必ず学校の募集要項でご確認ください。
6. 算数——大問4題+小問集合の攻め方
算数は60分で150点、近年は大問4題に小問集合を加えた構成が続いています。
| 位置 | 出題の傾向 |
|---|---|
| 大問1 | 標準的な問題、小問集合 |
| 大問2 | 図形の小問集合 |
| 大問3 | 図形以外の応用、図形応用 |
| 大問4 | テーマに沿った大問 |
※構成は年度により変わります。過去問でご確認ください。
150点を60分という設計
まずは、この時間設定の意味から押さえておきます。
関西の最難関校を見ると、算数の試験時間は学校によって差があり、洛南は70分、灘は1日目60分・2日目60分の2回です。これに対して西大和は、60分で150点になります。
70分の学校と比べると、1問あたりに使える時間が短くなります。じっくり考えるタイプの子より、処理速度で押せるタイプの子に向く設計です。ここは相性が出る部分になります。
過去問を解いたとき、時間内に最後まで手が届いたかどうか。届いていない場合は、解法を追加するより先に処理速度の改善が要ります。
60分をどう配分するか
150点を60分ですので1点あたり24秒の計算になり、時間の余裕はほとんどありません。解ける問題を選んで取り切るという判断が要る設計です。
目安としては、次のように組んでいきます。
- 大問1と2(標準・図形小問)——20分で取り切る
- 大問3(応用)——20分
- 大問4(テーマ型)——15分
- 見直し——5分
最初の20分が勝負になります。ここで手間取ると、後半の思考力問題に手をつける時間が残りません。大問1と2は、解法を知っているかどうかで速度が決まる部分です。
大問1と2で20分というのは、けっこうな速さです。過去問で測ってみて、25分を超えるようなら処理速度の問題になります。ここは解法の理解より、計算の手数を減らす工夫で縮まります。
図形の比重が高い
大問2が図形の小問集合で大問3にも図形応用が入りますので、150点のうち図形が占める割合は、他校より高くなります。
平面図形の相似と面積比、立体図形の切断と体積。この2つは繰り返し出ていますので、演習の時間配分を決めるときは図形に厚く置いてください。
小問集合を落とさない
大問1の小問集合は配点が分散していて、1問あたりの点数は小さくても、合計すると無視できない量になります。
そしてここは差がつく場所ではなく、差をつけられる場所です。受験生の多くが取ってきますので、落とすと不利になりますし、逆に取り切っても優位にはなりません。
だからこそ、演習では小問集合の正答率を記録しておきたいところです。過去問を解いたとき、大問1で何問落としたかだけを数える。ここが毎回2問以上なら計算精度の問題ですので、難問対策より先に手を打つ場所になります。
後半は「見たことのない設定」で来る
大問4はテーマに沿った大問で、初めて見る条件が設定されることがあり、解法を暗記していても対応できません。
ここで問われるのは、条件を整理して既知の型に落とし込む力です。過去問を解くとき、大問4だけは時間を計らずにじっくり取り組む日を作ってみてください。速く解く練習と考え抜く練習は、別のものです。
7. 国語60分・150点の使い方
国語は算数と同じ150点で、試験時間も同じ60分です。
そして時間割の1科目目でもありますので、ここでの手応えが、そのあとの3科目に響いてきます。算数が得意な子ほど、国語で崩れると立て直しに時間がかかります。
算数と同じ配点という意味
国語150点に算数150点。この学校では、両者が同格に置かれています。
関西の最難関校では算数の比重が高い設計が多い中、西大和は国語にも同じ重みを置いています。しかも5/4倍の対象ですので、実質187.5点ぶんになります。
算数が得意な子ほど、ここを軽く見がちです。国語で20点落とすと、総合点では25点減ります。算数で20点上乗せするのと同じ労力を、国語の失点を減らすことに向けたほうが早い場合もあります。
1科目目という位置
15時開始という時間帯を考えると、学校から直接向かうご家庭もあります。移動して、着いて、すぐ国語。頭が動き始める前に始まる形になりかねません。
対策は単純で、試験開始の1時間前には文章を1本読んでおいてください。過去問の1題でも読んできた本の一節でもかまいませんが、読む態勢を作っておくだけで、最初の10分の使い方が変わります。
そしてもう1点、国語は自己採点が難しい科目でもあります。記述の出来を自分で判断すると、甘くも辛くもなってしまいます。過去問の記述は、誰かに採点してもらってください。点数のずれが分かると、書き方が変わってきます。
記述への向き合い方
60分で150点ですので読み直す余裕はほとんどなく、1回読んで根拠を押さえる読み方を秋までに固めておきたいところです。
設問を先に読み、本文を読みながら根拠に線を引く。この手順を決めておくと時間の使い方が安定しますし、記述については、書き始めるまでの速さで差がつきます。
8. 理科100点は、3科受験なら比重が上がる
理科は40分で100点で、5/4倍ルールの対象に入っている科目でもあります。
ここを見落とすと計算を誤ります。国算理の合計を1.25倍するということは、理科の1点も1.25倍されるということです。実質的な重みは125点ぶんになります。
| 科目 | 素点 | 5/4倍後の実質 |
|---|---|---|
| 国語 | 150点 | 187.5点 |
| 算数 | 150点 | 187.5点 |
| 理科 | 100点 | 125点 |
| 社会 | 100点 | (4教科合計が採用された場合のみ100点) |
40分という試験時間に対してこの重みですので、1問あたりの価値が高い科目だと考えてください。
40分で100点という密度
理科の試験時間は40分で、国語や算数の60分に対して短いにもかかわらず、配点は100点あります。
単純に割ると1点あたり24秒で算数と同じ密度になりますから、考え込む余裕はありません。
この密度で100点を取りにいくには、知識で即答できる部分をどれだけ増やせるかが効いてきます。考えて解く問題に時間を残すためです。計算問題で詰まると、そのぶん知識問題を落としますので、解く順番を決めておいてください。知識問題を先に片づけて、計算に時間を残す形が基本になります。
計算分野を優先する
理科の中でも、力学・電流・溶解度・天体の計算は算数の延長として扱えますので、算数に時間を割いているご家庭なら、その流れで一緒に進められます。
暗記分野は直前期でも積み増しが利きますが、計算分野は積み上げに時間がかかります。秋の段階では、計算分野を先に固めておきたいところです。
9. 社会をどう位置づけるか
第3章で書いたとおり社会は保険として機能しますが、これは「やらなくていい」という意味ではありません。
目標は国算理の合計の4分の1を上回ること
もう一度、計算で確認します。国算理の合計が280点だとするとその4分の1は70点で、社会が70点を超えれば、4教科合計のほうが高くなります。
社会は100点満点ですので70点は7割にあたり、難問を取る必要はなく、標準的な問題を取り切れば届く水準です。
社会が分岐点を超えている場合
すでに社会が分岐点を超えているなら、そこから先の上積みはそのまま総合点になり、1点取れば1点増える形になります。
ただし、その1点と算数の1点を比べてみてください。算数の1点は1.25倍されますので、同じ1時間を使うなら、算数に回したほうが総合点への効き方は大きくなります。
社会が分岐点を大きく超えている場合は、そこからさらに社会を伸ばすより、算数と理科に時間を寄せるほうが効率的です。
時間配分の考え方
| 状況 | 社会にかける時間 |
|---|---|
| 算数が仕上がっている | 厚めに。加点を取りにいく |
| 算数に不安がある | 薄めに。算数へ時間を寄せる |
| 理科が弱い | 社会より理科を優先(5/4倍の対象) |
優先順位は明確で、算数と国語が最上位、次に理科、最後に社会という並びです。5/4倍の対象に入っているかどうかが、この順序を決めていますので、迷ったらここに戻ってください。
10. 英語重視型と21世紀型特色入試
西大和には、4科・3科以外の受験方式も用意されています。
| 方式 | 科目 | 特徴 | 総合点 |
|---|---|---|---|
| 英語重視型A | 国語・算数・英語筆記・英語エッセイ・英語面接 | 英語での試験と面接 | 500点満点 |
| 英語重視型B | 国語・算数・日本語面接 | 英検の級で加点 | 国算300点+加点 |
| 21世紀型特色入試 | — | 専願 | 学校の要項による |
※2026年度の公表内容。詳細は募集要項でご確認ください。
どの方式で受けるかを決める順序
方式が複数あると迷うところですが、判断そのものは単純です。
英語で加点が見込めるかどうか——英検2級以上を持っているか、取得の見込みがあるか。ここがなければ、4科・3科の枠で考えることになります。
持っている場合も、理科と社会の状況によって変わります。理社が仕上がっているなら4科のほうが総合点を取りやすく、理社が弱く英語が強いなら英語重視型が向きます。過去問を両方の形式で解いてみて、点数で比べるのが確かです。
英語重視型Bの加点
英語重視型Bでは、国語と算数の合計に英検の取得級に応じた加点が入ります。学校の公表によると、2級で30点、準1級で45点、1級で60点です。
国算300点満点に対して60点の加点は、大きな数字です。ただし、この方式では理科と社会がありませんので、英語に強みがあり、かつ理社が弱い場合に検討する形になります。
なお、いずれの方式でも算数の問題は4科・3科入試とは異なると公表されていますので、過去問を解くときは、受ける方式に対応したものを選んでください。
11. 統一日1日目という位置と、併願の組み方
本校入試は、関西の統一解禁日にあたる1月中旬に実施されます。
同じ日には灘や甲陽学院も入試を行いますが、西大和の本校入試は15時開始ですので、午前実施の学校との組み合わせが可能な場合があります。
午前・午後の連戦をどう考えるか
物理的に可能でも、負担は小さくありません。午前に1校受けて、移動して、15時から18時50分まで4科目。小学6年生にとって、これは相当な一日になります。
組むかどうかは、お子さまの体力と気質で判断してください。判断材料としては、秋のうちに模試を午前・午後で連続して受けてみるという方法があります。実際にやってみると、翌日の様子まで含めて見えてきます。
午前校を選ぶときの基準
午前に受ける学校を選ぶなら、移動時間と、試験終了から西大和の集合時刻までの余裕で判断することになります。
15時開始ですので、遅くとも14時30分頃には会場に入っておきたいところです。そこから逆算して、午前校の終了時刻と移動時間が収まるかを確認します。
昼食の場所も決めておいてください。移動しながら食べるのか会場近くで取るのか、当日に迷う要素は前もって潰しておくほど、当日が楽になります。
全国会場を先に使う設計
もうひとつの組み方が、1月上旬の全国会場を先に受ける形で、ここで結果が出ていれば統一日を落ち着いて迎えられます。
ただし前述のとおり、その時点での仕上がりがそのまま問われます。12月中旬までに過去問で合格最低点に近づいていない場合、この設計はあまり勧められません。まだ間に合っていない状態で、本番を経験するだけになってしまうからです。
寮という選択肢
西大和には男子寮(青雲寮)があり、全国から受験生が集まる背景には、この存在もあります。
関西のご家庭にとっては通学が前提でしょう。ただ同級生に全国から来た生徒がいるという環境は、知っておく価値があります。学校の雰囲気そのものに影響してくる部分だからです。
入寮を希望する場合は出願前に学校へ連絡が必要と募集要項に記載されていますので、検討される場合は早めに確認しておいてください。
12. 夏から本番までの設計
| 時期 | やること |
|---|---|
| 8月 | 算数の図形分野を固める/理科の計算分野を進める |
| 9月 | 過去問を1年分解いて現在地を測る/4科か3科かを検討開始 |
| 10月 | 過去問を本格化/社会の目標点を計算で決める |
| 11月 | 受験方式と会場を確定/併願の日程を固める |
| 12月 | 出願/15時開始の時間割で通し練習 |
| 1月 | 本番 |
11月に確定させる理由は、演習の方向を定めるためです。全国会場を受けるなら1月上旬が本番になりますので、そこから逆算する必要が出てきます。
もう1点、全国会場を受ける場合は、この表の時期が1か月前倒しになります。11月の確定を10月に、12月の通し練習を11月に。逆算する起点が変わることを、早めに意識しておいてください。
過去問の使い方
9月に1年分解いたら、点数より先に見てほしいのは時間が足りたかどうかです。算数60分で大問4題に手が届いたか、国語60分で記述まで書き切れたか。
足りていない場合は解法を追加するより処理速度の改善が先で、前半の標準問題を短縮するだけでも、後半の状況は変わってきます。
10月の判断材料
10月に社会の目標点を計算する、と書きましたので、その手順を具体的にしておきます。
- 直近の模試か過去問から、国語・算数・理科の得点を出す
- 3科の合計を4で割る
- その数字が、社会の分岐点になる
たとえば国算理の合計が288点なら4分の1は72点で、社会は72点を超えれば加点、下回っても3科換算で守られます。この72点という数字が出れば、社会にかける時間の見当がつきます。
いまの社会が55点なら17点上げる必要がありますし、すでに75点なら社会はこれ以上やらなくてかまいません。その時間を、算数に回せます。
12月の通し練習
12月に入ったら、15時から18時50分の時間割で4科目を通しで解く日を作ってください。2回でも3回でもかまいません。
この練習で分かることがあります。3科目目の理科あたりで集中が切れる子、社会の最後で手が止まる子。本番で初めて気づくより、12月に分かっているほうが手を打てます。
13. この判断を、誰と一緒にするか
ここまで書いた判断は、ご家庭でも進められます。募集要項を読み、5/4倍の計算をして、過去問で現在地を測る。この順序で方向が見えるなら、それがいちばん早い形です。
難しくなるのは、社会にどれだけ時間を割くかという見積もりのほうです。
社会の分岐点が何点かは計算で出ますが、そこまで何週間かかるかは別の話になります。いまの社会の点数から70点まで上げるのに、3週間で済むのか2か月かかるのか。この見積もりを誤ると、算数の時間を削ってしまいます。
西大和学園中学校の指導実績がある教師
4名が登録しています
当ネットワークには中学受験の指導実績がある教師が23名登録しており、うち8名は灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校に生徒を送り出しています。学生講師は在籍していません。
在籍状況は時期により変わります。担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。
ご相談いただく場合にうかがうのは、次の点です。直近の模試の科目別成績、西大和の過去問を解いた結果、いまの学習時間の配分、そして併願の候補。ここから、4科と3科のどちらで出すか、社会にどれだけ時間を割くかを一緒に整理します。
それでも、一度お話を聞かせてください
ここまで読んで、「うちは4科と3科、どちらで出すべきか」と思われたかもしれません。
ご家庭だけで抱えていると、「これは相談していいことなのか」を決めるところから始まります。そこで数週間が過ぎるのが、いちばん惜しい。
学年と、いま気になっていることを一言いただければ、こちらで整理してお返しします。その場で決めていただく必要はありません。家庭教師以外の選択肢をお伝えすることもあります。
力になれることがあるなら、なりたいと思っています。
合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。
相談のときに、あると助かるもの
ご相談いただく際、次のものがあると整理が速くなりますが、写真で撮ったもので十分です。
- 直近の模試の成績表(科目別の得点が分かるページ)
- 西大和の過去問を解いた答案(採点済みのもの)
- いまの1週間の学習時間の内訳(科目ごと)
- 併願を考えている学校の候補
とくに1つ目が判断に効きます。科目別の得点が分かれば、5/4倍の計算をその場で当てはめられるからです。社会が何点あれば加点になるか、いまの点数だとどちらが採用されるか。数字が出れば、秋の時間配分がその場で決まります。
まとめ:西大和は、受け方から決まる
この記事の要点
- 2026年度の募集定員は男子約180名、女子約40名。関西の最難関校の中でも男女差がはっきりしている
- 4科受験は「4教科合計」と「国算理×1.25」の高いほうが総合点。3科受験は後者のみ
- 社会が国算理の合計の4分の1を上回れば加点、下回っても総合点は下がらない
- この構造から、4科で出願するほうが下振れしない
- 社会の目標は満点ではなく、国算理の合計の4分の1を上回ること
- 理科は5/4倍の対象。素点100点だが実質125点ぶんの重みになる
- 優先順位は算数・国語が最上位、次に理科、最後に社会
- 本校入試は15:00開始・18:50終了。12月に同じ時間割で通し練習をする
- 算数は大問4題+小問集合。最初の20分で大問1と2を取り切る
- 全国会場入試は1月上旬。統一日前の受験機会になるが、仕上がりが問われる
西大和の対策は、解法を増やす前に決めることがあります。4科か3科か、本校か全国会場か。この2つが決まれば、社会にかける時間も演習の対象も定まりますし、決めるのに要るのは募集要項と電卓だけです。
迷っている時間より、計算した1分のほうが前に進みます。
そして5/4倍の計算は、紙とペンがあれば今日できます。直近の模試の点数を当てはめて、社会が何点あれば加点になるかを出してみてください。その数字が、秋の時間配分を決めます。
※本記事の内容は西大和学園中学校が公表している2026年度(令和8年度)生徒募集要項によるものです。日程・配点・受験方式は年度により変わりますので、必ず学校の募集要項で最新の情報をご確認ください。