1. 2回受けられる、という設計
六甲学院の入試には、A日程とB日程があります。統一解禁日の午前にA日程、2日空けて4日目の午前にB日程という並びで、同じ学校を2回受けられる形になっています。
さらに2025年度から、両日程に出願して受験した場合、A日程で不合格でもB日程の合計点に10点が加算されます。
この制度を知ると、多くのご家庭が同じことを考えます。「1回目がだめでも、2回目がある。しかも下駄を履かせてもらえる」。
ただ、この見方には抜けている点があります。B日程は、A日程とは違う人たちが受けにくる入試だという点です。灘、甲陽学院、大阪星光学院、須磨学園。こうした学校を第一志望にしていた受験生が、1日目の結果を受けて合流してきます。
10点は、大きいのか小さいのか
結論を先に書きます。10点は、無視できる数字ではありません。ただし、それだけで勝負が決まる数字でもありません。
この記事では、その根拠を配点と過去の得点データから示していきます。数字が見えれば、両日程を受けるかどうかの判断もつきやすくなります。感覚で決めるより、割合と点数で見たほうが、迷いは少なくなるはずです。
2. 入試の骨格を数字で押さえる
まず、配点と日程を確認しておきます。ここで注意したいのが、2025年度から配点が変更されているという点です。それ以前の過去問集に載っている数字とは異なりますので、得点率で比較する際には気をつけてください。
| 項目 | A日程 | B日程 |
|---|---|---|
| 実施日 | 統一解禁日の午前 | 4日目の午前 |
| 科目 | 国語・算数・理科 | 国語・算数 |
| 国語 | 60分・120点 | 60分・120点 |
| 算数 | 60分・120点 | 60分・120点 |
| 理科 | 50分・80点 | — |
| 合計 | 320点 | 240点 |
| 募集人員 | 140名 | 50名 |
※2024年度まではA日程400点満点・B日程300点満点でしたが、2025年度から変更されています。出願前に必ず学校公表の最新の募集要項でご確認ください。
募集人員も変わっている
募集人員は2024年度までA日程145名・B日程40名の計185名でしたが、2025年度からA日程140名・B日程50名の計190名になりました。
B日程の比率が21.6%から26.3%へ上がっています。2回目に用意されている枠が、以前より広がったということです。
制度の意図を読む
この加点制度は、2025年度から始まったものです。同じ年に配点と募集人員も変更されており、学校側が入試の設計を見直した年にあたります。
加点の意図は公表されていませんが、構造からは読み取れることがあります。A日程を受けた受験生、つまり六甲学院を第一志望に据えている受験生を優遇する仕組みだという点です。
B日程には他校を第一志望とする受験生が合流してきます。そこで第一志望の受験生が押し出されてしまうと、入学後の学校の雰囲気にも影響します。10点という数字は、その調整として置かれていると考えることもできます。
この見方が正しければ、制度は「六甲学院に本気で来たい受験生」に向けられているということになります。両日程に出願する判断は、その意図に沿ったものです。
3. 加点10点を、割合で見る
ここからは、加点10点の重みを実際に計算してみます。
| 基準 | 10点の割合 |
|---|---|
| B日程(240点満点)に対して | 4.2% |
| A日程(320点満点)に対して | 3.1% |
B日程は240点満点ですので、10点は4.2%にあたります。受験生の得点分布が密集する帯では、この4.2%が順位を大きく動かします。
点数に置き換えると
算数で考えると、10点は大問1問分から2問分にあたることが多くなります。国語であれば、記述1問と選択肢いくつかの差です。
この規模を「大きい」と見るか「その程度」と見るかは、いま置かれている状況によります。合格ラインまであと5点という位置にいるなら、10点は決定的です。あと40点という位置なら、10点では届きません。
だからこそ、自分がどのあたりにいるかを先に知る必要があります。過去問を解いて合格最低点との差を測れば、10点が効く位置にいるかどうかが分かります。
10点をあてにした出願は、しない
ここで一点、注意しておきたいことがあります。10点があるからという理由で、A日程の準備を軽く見積もらないでください。
加点はA日程を受験した人だけが得られるものですが、それはA日程で全力を出すことを前提にした制度です。「1回目は様子見」という受け方をすると、その日の得点分布から自分の位置が読めなくなります。
A日程の得点は、B日程を受けるかどうかを決める材料でもあります。合格最低点まで何点足りなかったのか。それが分からないまま4日目を迎えると、加点10点が効く位置にいるのかどうかも判断できません。
4. B日程で、算数の比重が上がる
ここが、あまり語られていない部分になります。A日程とB日程とでは、科目の重みそのものが変わってくるのです。
| 科目 | A日程での比率 | B日程での比率 |
|---|---|---|
| 国語 | 37.5% | 50.0% |
| 算数 | 37.5% | 50.0% |
| 理科 | 25.0% | なし |
理科がなくなるぶん、国語と算数がそれぞれ50%を占めることになります。A日程では37.5%だったものが、B日程では50%です。
これが何を意味するか
理科が得意な受験生にとって、B日程は不利に働きます。A日程で80点分あった得点源が、丸ごと消えるからです。
逆に、算数や国語で稼げる受験生にとっては、B日程のほうが力を出しやすい構造になります。同じ学校でも、日程によって向き不向きが変わるということです。
お子さまの科目バランスを見て、どちらの日程で力が出やすいかを考えておく価値があります。ここは過去問を解けば、はっきりと数字で見えてくる部分です。
2教科入試という形式そのもの
B日程が2教科であることには、もう1つの側面があります。科目数が少ないぶん、1科目の失敗が響きやすくなります。
3教科であれば、1つ崩れても他の2つで補える余地があります。ところが2教科では、片方が崩れたときに支えるものが1つしかありません。
とくに算数は、年度によって難易度が大きく動く科目です。その算数が240点満点の半分を占めるということは、当日の出来が結果を大きく左右するということでもあります。
この構造を理解しておくと、B日程だけに賭けるという設計が危ういことが分かります。A日程で決められるなら、そのほうが読みやすいという判断になります。
5. 算数の難易度は、年度で30点動く
ここからが、この記事で最もお伝えしたい部分になります。
六甲学院の算数は、年度によって難易度が大きく変わります。受験者平均点で見ると、次のようになります。
| 年度 | 算数の受験者平均 | 得点率 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 48.4点 | 40.3% |
| 2026年度 | 79.1点 | 65.9% |
※いずれもA日程・120点満点における数値。各種入試分析資料による。
1年で30.7点動いています。得点率でいえば25.6ポイントの差です。
他の科目は、そこまで動いていない
同じ2年間で、他の科目の受験者平均はどう動いたか。
| 科目 | 2025年度 | 2026年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 48.4点 | 79.1点 | +30.7点 |
| 国語 | 66.7点 | 59.7点 | −7.0点 |
| 理科 | 52.3点 | 47.7点 | −4.6点 |
国語と理科は10点以内の動きですが、算数だけが30点動いています。この非対称は偶然ではなく、算数の難易度調整が大きく入ったためと考えられます。
加点10点と比べてみる
ここで、先ほどの10点と並べてみます。
算数の振れ幅30.7点は、加点10点の3.1倍にあたります。つまり算数がどう出るかのほうが、加点よりも大きく合否を動かすということです。
この事実は、準備の優先順位を決めます。10点の加点をあてにするより、算数がどちらに振れても対応できる状態を作るほうが効きます。
「今年は難しかった」で終わらせない
過去問を解くとき、年度による難易差を頭に入れておいてください。2025年度の算数で5割取れたなら、それは2026年度の8割に相当する可能性があります。
合格最低点と比べるときも、その年度の受験者平均を確認する。この一手間で、判断の精度が変わります。
易しい年こそ、差がつきにくい
算数が易しい年について、もう少し掘り下げておきます。
2026年度のように受験者平均が65.9%まで上がると、上位層の得点が満点近くで並びます。そうなると算数では差がつかず、他の科目で決まることになります。
逆に2025年度のように40.3%まで下がると、解けた人と解けなかった人の差が大きく開きます。算数が得意な受験生にとっては、有利な年です。
つまり算数が難しい年ほど、算数の得意な子が有利になります。易しい年は、取りこぼしをしないことのほうが重要になります。どちらに転んでも対応できる準備とは、この両方に耐えられる状態を指します。
1問あたりの重みで考える
算数は60分で120点です。大問数から考えると、1問あたりおよそ10点から15点という計算になります。
この規模は、加点10点とほぼ同じです。算数を1問多く取れれば、加点と同じだけの効果があるということになります。
10点の加点は受験の仕組みから得られるものですが、算数の1問は準備で取りにいけるものです。どちらに時間を使うべきかは、この比較から見えてきます。
6. 誰がB日程に来るのか
B日程の性質については、理解しておく必要があります。A日程とは、受験者の顔ぶれそのものが変わってくるからです。
B日程に集まるのは、大きく分けて2つの層です。
| 層 | 状況 |
|---|---|
| A日程で届かなかった受験生 | 六甲学院が第一志望。10点の加点を持って再挑戦する |
| 最難関校を受けていた受験生 | 灘・甲陽学院・大阪星光学院・須磨学園などが第一志望。結果を受けて併願先として受験する |
この2つ目の層が、B日程という入試を難しくしています。灘や甲陽を目指して準備してきた受験生は、算数の対策量が違います。そこへ合流されると、得点分布の上のほうが厚くなります。
倍率にも表れている
2026年度のB日程は受験者315名。3年連続で300名を超えており、実質倍率は1.69倍でした。同じ年のA日程が1.55倍ですので、B日程のほうが高くなっています。
募集人員はB日程のほうが少ない(50名)ため、そもそも枠が狭いという事情もあります。
ただし、10点はここで効く
一方で、この構造だからこそ10点の加点が意味を持つとも言えます。
激戦になるということは、得点が密集するということです。密集した帯では、10点で順位が大きく動きます。A日程を受けずにB日程だけを受ける受験生と比べれば、その差は明確です。
六甲学院を第一志望に考えているなら、両日程に出願しておく判断には根拠があります。
2日空くことの意味
A日程とB日程のあいだには、2日間の空きがあります。この2日間をどう使うかで、B日程の結果が変わることがあります。
多くのご家庭は、この2日間に他校を受験します。そうすると、4日連続で試験を受ける形になります。ただ、この2日間に得た結果が、本人の状態を左右します。
他校で合格を得られていれば、B日程は「挑戦」として受けられます。逆に、2日目・3日目も不合格が続くと、4日目の朝には相当な消耗が溜まっています。
この点も含めて、併願の順番を考えておきたいところです。2日目に合格を確保しやすい学校を置いておくと、4日目の精神状態が変わってきます。
7. A日程で決めるという考え方
ここまで加点の話を書いてきましたが、いちばん確かなのはA日程で合格することに変わりありません。
理由は単純で、A日程のほうが受験者の層を読みやすいからです。六甲学院を第一志望とする受験生が中心となり、最難関校からの流入がありません。その分、例年の得点水準がそのまま当てはまりやすくなります。
A日程には理科がある
A日程は3教科で、理科が80点分あります。理科が得意なら、ここが得点源になります。
逆に理科に不安があるなら、A日程では不利に働きます。ただしその場合でも、B日程では理科がなくなるため、日程による有利不利が入れ替わることになります。
両日程を受ける前提で考えるなら、「A日程は理科込みで、B日程は国算のみ」という違いを、あらかじめお子さまに伝えておいてください。同じ学校でも測られるものが違うと分かっていれば、A日程の結果を引きずりにくくなります。
合格最低点は受験者平均を下回る
六甲学院の入試では、両日程とも合格者最低点が受験者平均点を下回る年度があります。これは「平均が取れていれば合格」という意味ではありませんが、満点近くを狙う必要はないということでもあります。
目安としては、科目トータルでおよそ5割から6割を超えることを目標に組み立てる形になります。ただし年度によって難易度が動きますので、この割合はあくまで大まかな水準として捉えておいてください。
理科で稼いでいた場合の落とし穴
A日程で理科が得点源だった受験生には、注意すべき点があります。B日程では、その80点が丸ごとなくなります。
たとえばA日程で理科が7割取れていたとすると、56点分の貢献があったことになります。B日程ではこれが消え、国語と算数だけで勝負することになります。加点10点があっても、失われる得点源のほうが大きい可能性があります。
逆に、理科が足を引っ張っていた場合はどうか。B日程では理科がないぶん、A日程より有利に戦えることになります。
この見立ては、科目別の得点を並べれば判断できます。A日程の過去問を解いたとき、理科が得点源だったのか、それとも重荷だったのか。ここを確認しておくと、B日程での見通しが立ちます。
8. 算数——灘の1日目に近い部分
灘を第一志望にしているご家庭からは、六甲学院の算数がどう位置づけられるのかというご相談をいただきます。
共通しているのは、処理速度が問われる部分があるという点です。
A日程の構成
A日程の算数は、1番が計算、2番から5番が答えのみ記入、6番から8番が途中の式や考え方を書く形式という構成が見られます。前半で答えだけを出す部分と、後半で記述する部分に分かれています。
この構成は、灘の1日目と2日目を1つの試験に圧縮したような形とも言えます。前半は処理速度、後半は思考と記述。60分でこの両方が問われます。
灘の算数の構造については、灘中の算数が難しすぎると感じたらで詳しく扱っています。
準備が重なる部分
灘や甲陽の対策をしてきた受験生にとって、六甲学院の算数は新しい対策をゼロから足す必要が少ない領域になります。処理速度と記述の両方を鍛えてきているためです。
逆に、六甲学院を第一志望とする場合は、後半の記述部分をどこまで詰められるかが差になります。答えだけを出す練習に偏っていると、6番以降で得点が伸びません。
記述に配点があるということ
後半で式や考え方を書かせる形式には、受験生にとって利点もあります。答えが合っていなくても、途中まで正しければ部分点が入る可能性があるからです。
答えのみを記入する形式では、計算を1つ間違えればその問題は0点です。ところが記述式であれば、方針が正しければそこまでの得点が残ります。
ですから、後半の問題で手が止まったときも、白紙で出さないでください。どこまで考えたかを書いておけば、そこが点になることがあります。この習慣は、過去問演習の段階でつけておく必要があります。
灘の2日目も記述式ですので、灘対策をしてきた受験生にはこの感覚があります。逆に、答えのみを書く形式の学校ばかり練習してきた場合は、書く練習が別途必要になります。
9. 国語と理科をどう見るか
国語は2025年度から120点に
国語は60分120点で、大問3題という構成が続いています。大問1と大問2が長文読解、大問3が漢字の書き取りという並びです。
2026年度は国語が直近数年で最も難しく、受験者平均が得点率50%に届きませんでした。算数が易しくなった年に、国語が難しくなっています。
この入れ替わりは、六甲学院の入試を読むうえで押さえておきたい点です。どこかが易しくなれば、どこかが難しくなる。1科目だけを見て判断すると、全体像を見誤ります。
理科はA日程のみ
理科は50分80点で、A日程にのみあります。B日程では課されません。
2026年度の受験者平均は47.7点で、得点率にすると59.6%でした。算数ほど大きくは動いていません。
準備の優先順位としては、算数と国語が先、理科はA日程用として後ろに置くという考え方が現実的です。ただしA日程で決めたいなら、理科の80点は無視できません。
国語が難しい年の対処
2026年度は国語の受験者平均が得点率50%を下回りました。算数が易しくなった年に、国語が難しくなっています。
この入れ替わりに対して、できることは限られています。当日どちらが難しいかは、開けてみないと分かりません。
ただし1つ言えるのは、難しい年ほど、取れる問題を落とさないことが効いてくるという点です。受験者平均が5割を切るような年は、全員が苦しんでいます。そこで漢字や基本的な設問を落とさなければ、それだけで上位に入れます。
国語の大問3が漢字の書き取りという構成が続いていますので、ここは取り切る前提で準備しておきたいところです。難易度に左右されにくい部分だからです。
10. 併願をどう組むか
六甲学院を受ける場合、統一解禁日の午前と4日目の午前が埋まることになります。ここから併願を組み立てていきます。
| 日程 | 六甲学院 | 他校の受験 |
|---|---|---|
| 1日目・午前 | A日程 | 不可 |
| 1日目・午後 | なし | 午後入試を実施する学校を受験できる |
| 2日目・3日目 | なし | 受験できる |
| 4日目・午前 | B日程 | 不可 |
2日目と3日目が空きますので、この間に他校を入れられます。A日程の結果は1日目のうちに分かりますので、それを見てから2日目以降の動きを決められる形です。
B日程を受けるかどうかの判断
A日程で不合格だった場合、B日程を受けるかどうかの判断が必要になります。判断材料は次のとおりです。
- A日程で、合格最低点までどれだけ足りなかったか——10点以内なら、加点で届く可能性がある
- 理科が得点源だったかどうか——理科で稼いでいたなら、B日程では不利になる
- 2日目・3日目の結果——他校で合格を確保できていれば、挑戦する余裕が生まれる
- 本人の消耗度——4日目まで戦えるかどうか
1つ目が判断の中心になります。ただし当日は自分の得点が分かりませんので、事前に過去問との差を把握しておく必要があります。
体力面も設計に入れる
1日目にA日程、2日目・3日目に他校、4日目にB日程。この形だと4日連続で試験を受けることになります。
秋のうちに、模試を連続して受ける日を作っておく方法があります。実際にやってみると、翌日の様子まで含めて見えてきます。4日間を組めるかどうかは、当日ではなく事前に確かめておきたいところです。
9月から入試までの月別設計
9月4日の時点で、入試まで134日・約19週です。月ごとの進め方を整理しておきます。
| 時期 | 入試まで | やること |
|---|---|---|
| 9月 | 約19週 | A日程の過去問を1年分解く。年度と科目別得点を記録する |
| 10月 | 約15週 | 別年度をもう1年分。難易差を実感しておく |
| 11月 | 約11週 | B日程の過去問に着手。併願を確定させる |
| 12月 | 約7週 | 記述部分の練習。出願手続き |
※2027年1月の統一解禁日を起点として算出しています。日程は必ず学校公表の募集要項でご確認ください。
10月に別年度を解くのは、難易差を体感しておくためです。1年分だけだと、その年が易しかったのか難しかったのかが分かりません。2年分あれば、自分の得点がどのあたりにあるのかを判断できます。
B日程の過去問を11月からにしているのは、まずA日程で決めることを目指すためです。ただし理科が苦手な場合は、もう少し早くB日程に着手する形もあります。
11. この判断を、誰と一緒にやるか
ここまでの内容は、ご家庭でも整理できます。配点を確認し、過去問を解いて合格最低点との差を出す。その差が10点以内かどうかで、加点の意味も変わってきます。
難しくなるのは、過去問の得点を年度差で補正するところです。
算数の受験者平均が40.3%の年と65.9%の年では、同じ得点でも意味が違います。2025年度の算数で60点を取ったのと、2026年度で60点を取ったのとでは、実力の水準が異なります。ここを補正しないまま判断すると、届く位置にいるのに諦めたり、逆に楽観したりすることになります。
もう1つが、A日程とB日程のどちらで力が出やすいかという見立てです。理科の得点力によって、有利な日程が変わります。科目別の得点分布を見ないと、この判断はつきません。
中学受験の指導実績がある教師
23名が登録しています
うち8名は、灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校に生徒を送り出した指導実績を持っています。学生講師は在籍していません。
在籍状況は時期により変わります。担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。
ご相談いただく場合にうかがうのは、次の点です。過去問を解いた科目別の得点、解いた年度、直近の模試の結果、そして併願の候補。ここから、両日程を受けるかどうかと、どちらに重心を置くかを整理します。
いまの準備で届くと判断される場合は、そうお伝えします。その場合、家庭教師を入れる必要はありません。
ここまで読んで、どれが近いですか
六甲学院でいただくご相談は、この5つが中心です。当てはまるものがあれば、そのままお知らせください。
- 過去問の得点が、年度によってばらついて判断できない解いた年度と得点があれば、受験者平均で補正してお返しします。
- A日程とB日程、どちらで力が出やすいか分からない科目別の得点分布から、理科の有無がどう効くかを整理します。
- 灘や甲陽が第一志望で、併願先として考えている出題の重なりと、対策を追加すべき部分をお伝えできます。
- 配点や日程を知りたいだけこの記事の第2章にまとめています。相談は不要です。
- 加点10点の重みを知りたい第3章で割合を計算しています。まずはご覧ください。
「六甲を候補に入れたばかり」。その段階からでも、お話をうかがえます。
それでも、一度お話を聞かせてください
10点の加点をどう見積もればよいか、決めきれなかったかもしれません。あるいは、過去問の点数が年度でばらついて、いまの位置が分からないままかもしれません。
六甲学院は、算数の難易度が年度で30点動く学校です。その振れを補正しないまま判断すると、届く位置にいるのに諦めることが起こります。ここがいちばん惜しいところです。
過去問を解いた年度と科目別の得点を一言いただければ、こちらで補正して整理します。その場で決めていただく必要はありません。いまの準備で届くと判断される場合は、そうお伝えします。
力になれることがあるなら、なりたいと思っています。
合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。
相談のときに、あると助かるもの
次のものがあると整理が速くなりますが、写真で撮ったもので十分です。
- 六甲学院の過去問を解いた科目別の得点(解いた年度もお知らせください)
- 直近の模試の結果
- 理科の得点力が分かるもの
- 併願を考えている学校
とくに1つ目で年度をお知らせいただくことが大切です。算数は年度によって受験者平均が30点変わりますので、年度が分からないと得点の意味を測れません。
相談のときに、あると助かるもの
すでに触れましたが、もう一度整理しておきます。過去問を解いた記録があると、判断の精度が上がります。
とくに年度・科目別得点・その年の合格最低点の3つが揃っていると、いまの位置がはっきりします。逆にこの3つがないと、点数だけを見て「足りない」「届きそう」と判断することになり、年度差の影響を見落とします。
記録は紙でもスマートフォンのメモでも構いません。解いたその日に3つ書いておくだけで、11月の判断が変わってきます。
まとめ:10点を過大にも過小にも見ない
この記事の要点
- A日程は国算理の320点満点、B日程は国算の240点満点
- 両日程を受けると、A日程不合格でもB日程で10点が加算される
- 10点はB日程240点満点に対して4.2%にあたる
- B日程では理科がないため、国語と算数がそれぞれ50%を占める
- 算数の受験者平均は2025年度48.4点、2026年度79.1点で30.7点動いた
- この振れ幅は、加点10点の3.1倍にあたる
- B日程には灘・甲陽・星光などを第一志望としていた受験生が合流する
- 2026年度のB日程は1.69倍で、A日程の1.55倍より高い
- 密集した得点帯では10点が順位を動かすため、両日程出願には根拠がある
- 過去問を解くときは、その年度の受験者平均を確認してから判断する
今日できること
最後に、もう1つだけお伝えしておきたいことがあります。
この学校の準備で最初にやりたいのは、過去問を解くときに年度を記録しておくことです。算数の受験者平均が40%台の年と60%台の年がある以上、年度を控えていないと得点の意味が分かりません。
解いた年度、科目別の得点、その年の合格最低点。この3つを並べておけば、10点の加点が効く位置にいるかどうかも見えてきます。
紙に3列書くだけです。所要は5分もかかりません。そこから、両日程を受けるかどうかの判断が始まります。
10点の加点は、たしかにありがたい制度です。ただ、それを頼りにするより、算数を1問多く取れる状態を作るほうが確かです。1問の重みは10点から15点で、加点とほぼ同じだからです。制度に乗りつつ、自分の力でも取りにいく。この両方を持っておきたいところです。