1. 結論:うまくいかない原因は、やる気より「止まる場所」

先に結論を書いておくと、家庭学習がうまくいかないとき、原因を子どものやる気や性格に求めても、打つ手はなかなか見つかりません。見てほしいのは家庭学習がどこで止まっているかで、机に向かう前で止まっているのか、分からない問題の前で手が止まっているのか、丸つけをして間違いが見つかったところで止まっているのか、という点です。止まる場所が違えば、手当てのしかたもまったく違ってくる。

もう一つ知っておきたいのは、親の関わりには、勉強をみること以外にもいろいろな形があるということです。全国学力・学習状況調査の保護者調査を分析した報告書では、「普段、子供の勉強をみている」「計画的に勉強するようにうながしている」家庭で子どもの学力が高い傾向があったと書かれていて、あわせて、何のために勉強するかを子どもと話すことや、努力することの大切さを伝えることにも目が向けられている。親の関わりは、やはり大事なのです。

ただし、親の関わりが大事だからといって、すべての問題を親が教える必要がある、という話ではありません。親が引き受けたほうがよいことと、親が抱えないほうがうまくいくことがある、ということです。その線を引き直すだけで、家の中の空気が変わることは少なくないと、私たちは考えています。この記事は、その順番で読めるように並べてある。

2. 家庭学習がうまくいかない、よくある5つの形

ひとくちに「うまくいかない」と言っても、ご家庭から聞く様子はさまざまです。よく出てくるのは、次の5つの形でしょうか。

よくある形家で見える様子止まっている場所
始められない声をかけても机に向かわない。向かっても筆箱をいじっている始める前
座っているのに進まないノートを開いたまま時間だけが過ぎる。1問目から動かない分からない問題の前
すぐ終わる「終わった」と言うが、中身を見ると空欄や写した跡がある分からない問題の前、または間違えたあと
丸つけで揉めるバツがつくと機嫌が悪くなる。親が教えると言い合いになる間違えたあと
やっているのに点にならない毎日机に向かっているのに、テストで同じところを落とす間違えたあと

表の内容は、左からよくある形・家で見える様子・止まっている場所です。ご家庭からよくうかがう様子をもとに、編集部で整理しました。

こうして並べてみると、見た目は違っても、止まっている場所はおおむね三つに分かれることが分かります。始める前、分からない問題の前、間違えたあとの三つのうち、ご家庭でいちばん気づきにくいのは二つ目と三つ目でしょう。机に向かっている姿が見えると、親はひとまず安心してしまう。けれど、座っている時間と、頭が動いている時間は同じではありません。

「すぐ終わる」形については、家庭学習がすぐ終わるときの記事で、中身の見分け方を詳しくまとめてある。この記事では、もう少し手前の「始められない」「進まない」「揉める」のほうに重心を置いて話を進めます。

3. 全国の調査から、分かること・分からないこと

家庭学習について、全国でいちばん大きな手がかりになるのは、毎年春に小学6年生と中学3年生を対象に行われる全国学力・学習状況調査です。教科の問題と一緒に、ふだんの学習や生活についての質問調査が行われていて、その答えと正答率との関係が分析されている。

調査の項目報告書に書かれていること
学校の授業時間以外の勉強時間勉強時間が長い児童生徒ほど、教科の平均正答率が高い傾向が見られる(令和6年度)
家で計画を立てて勉強しているか計画を立てて勉強している児童生徒ほど、正答率が高い傾向が見られる(千葉県教育委員会が国の分析としてまとめたもの)
「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだか(課題の解決に向けて自分から取り組んだ、など)「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだと考える児童生徒ほど、各教科の正答率・スコアが高い傾向(令和8年度)
SNSや動画視聴等の時間利用時間が長い児童生徒ほど、各教科の正答率・スコアが低い傾向が見られる(令和8年度)

表の内容は、左から調査の項目・報告書に書かれていることです。国立教育政策研究所「全国学力・学習状況調査 報告書【質問調査】」(令和6年度)、「令和8年度 全国学力・学習状況調査の結果(概要)」、千葉県教育委員会「家庭学習の効果」より。

この表だけを見ると、「やはり勉強時間を増やせばいい」「計画を立てさせればいい」と読みたくなります。ただ、ここで一度立ち止まっておくと、令和6年度の報告書は、こうした結果が相関関係であって、因果関係ではないとはっきり書いています。勉強時間が長いから正答率が高いのか、勉強が分かるから長く座っていられるのか。調査の数字だけでは、そこまでは分からないのです。

実際、家庭学習がうまくいかないご家庭ほど、時間を延ばそうとして苦しくなっていることがよくあります。分からない問題の前で止まっている子に、座る時間だけを30分延ばしても、止まっている時間が30分延びるだけ。時間や計画は、止まる場所の手当てができてから効いてくるものだと考えたほうが、遠回りに見えて近道です。

もう一つ、令和8年度の結果では、課題の解決に向けて自分から取り組んだかなど、「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだと考える児童生徒ほど、各教科の正答率・スコアが高い傾向があった、とまとめられています。これは学校での学び方についての質問なので、家庭学習の結果として読むことはできませんし、因果も分かりません。それでも、親に言われてやる時間を増やすことと、自分で取り組めたと感じられる時間を増やすことは、同じではないはず。家庭学習のゴールを、時間ではなく「自分で進められた」という感覚のほうに置いてみると、声のかけ方も変わってきます。

4. 親の関わりは、「勉強をみる」だけではない

保護者の関わりについては、全国学力・学習状況調査に合わせて行われた保護者調査を、文部科学省の委託でお茶の水女子大学が分析した報告書があります。2017年度の調査をもとにした報告書(2018年3月)では、2013年度の分析を振り返り、「普段、子供の勉強をみている」「計画的に勉強するようにうながしている」などの家庭で、子どもの学力が高い傾向があったと挙げています。ただし、この結果から、親が横について教えれば成績が上がるとまでは言えません。家庭学習にかかわる部分を、いくつか拾ってみましょう。

保護者の関わり報告書での扱い
普段、子供の勉強をみている2013年度の分析で、当てはまる家庭の子どもの学力が高い傾向があったとされている
計画的に勉強するようにうながしている2013年度の分析で学力が高い傾向が指摘され、2017年度の調査でも同様の傾向が確認された
子供と何のために勉強するかについて話している学力の高い家庭に多い傾向として挙げられている
子供に努力することの大切さを伝えている学力の高い家庭に多い傾向。また、家庭の社会経済的背景を統制した分析で、子どもの非認知スキル(学力以外の力)との関係が見られた項目の一つ
子供のよいところをほめるなどして自信を持たせるようにしている家庭の社会経済的背景を統制した分析で、子どもの非認知スキル(学力以外の力)との関係が見られた項目の一つ

表の内容は、左から保護者の関わり・報告書での扱いです。お茶の水女子大学「平成29年度 保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」(2018年3月)より。分析は相関・回帰によるもので、因果関係を示すものではありません。

この表を見ると、毎晩となりで勉強をみてきたことも、学力の高い家庭に多い関わりの一つとして挙げられていることが分かります。そのうえで目を向けたいのは、報告書が挙げている関わりの幅の広さです。勉強をみることのほかに、何のために勉強するのかを話す、計画的に進めるように促す、努力したことを認めて自信を持たせる、といった関わりが並んでいる。そのどれもが、問題の解き方を一から教えることとは限りません。

家庭学習がうまくいかないご家庭では、「勉強をみる」が、いつのまにか「親が全部教える」になっていることがよくあります。そこで揉めてしまうなら、勉強をみること自体をやめる必要はなく、みる中身を、子どもが止まっている場所に合わせて変えていけばいい。この記事では、報告書が挙げた関わりも手がかりにしながら、親がすべての問題を教えるのではなく、止まる場所に合わせて役割を考えていきます。

報告書は、こうした関わりの多くが家庭の経済的な背景と重なっていて、背景をそろえて比べると関係が弱まるものもある、とも書いています。分析は相関によるもので、だから「これをやれば点が上がる」とは言えないものの、どこに力を入れるかを考えるときの目安にはなるはず。

5. 家庭学習が止まる、三つの場所

ここからは、家庭学習が止まる場所ごとに、手当てを考えていきます。なお、ここからの三つの分け方は、全国調査の分類ではなく、ご家庭からうかがう様子をもとに編集部で整理したものです。最初にやっていただきたいのは、一週間だけ、子どもの家庭学習が「どこで止まったか」をメモしておくことです。叱るためのメモではないので、止まった日と、止まった場所を一行ずつ書くだけで十分。

一週間分を並べてみると、たいていどこかに偏りが出てくるものです。毎日始める前で止まっているなら、勉強の中身より、生活の流れのほうに手を入れる必要がある。分からない問題の前で止まる日が多いなら、問題の難しさと子どもの力が合っていない可能性が高い。間違えたあとで止まるなら、丸つけと解き直しのやり方を見直す番です。止まる場所を一つに絞れれば、やることも一つに絞れます。

6. 始める前で止まる子には

始める前で止まる子の多くは、勉強そのものより、「何から始めればいいか」「どれくらいやれば終わるのか」が見えていないことでつまずいています。終わりの見えない作業に取りかかるのは、大人でもしんどいものです。

手当ては、始める時刻と、その日にやる量を、前の日のうちに子どもと一緒に決めておくこと。「7時半から、計算プリント1枚と漢字1ページ」というくらい具体的に決めておくと、当日に親が声をかけるのは「7時半だよ」の一言で足ります。何をするかを、その場で親が指示する必要がなくなる。最初の一問は、迷わず解ける問題を置いておくと、手が動き出しやすくなります。

家の環境については、和歌山県教育委員会が保護者向けにまとめた家庭学習の資料には、テレビを消すこと、「ながら勉強」は学習内容の定着率を低下させること、家族の気配がある居間で勉強させるのもよいこと、学習が終わったら内容を確かめてコメントやサインをすること、などが挙げられていて、特別な道具はいりません。始める合図と、終わったあとの一言を、毎日同じにしておくだけでも、子どもは机に向かいやすくなります。

計画を立てるときは、親が決めた計画を渡すより、子どもに選ばせる余地を残しておくほうがうまくいきます。「今日は算数と国語、どっちから始める?」。それくらいの小さな選択でも、自分で決めたことは守りやすい。

7. 分からない問題の前で止まる子には

家庭学習がうまくいかないとき、見落とされやすいのがここ。必要な知識や解き方が身についていないと、考え続けても先に進めないことがあります。机に向かってじっと座っている姿は考えているようにも見えますが、実際には、どこから手をつけていいか分からないまま、時間だけが過ぎていることが多いのです。

指導にあたっている教師からよく聞くのは、問題には、その形ごとに速く確かに解くための解き方がある、という話です。正面から考えても答えにたどり着ける問題でも、解き方を知っている子とそうでない子では、かかる時間がまるで違う。中学受験の算数や、高校受験の数学の後半の問題になるほど、その差は大きくなっていきます。解き方を一度教わって、似た問題で何度か使ってみて、ようやく自分のものになる。それを家庭学習の時間に、子ども一人で見つけ出すのは難しいことです。

では、親が教えればよいのかというと、ここが家庭学習でいちばん揉めやすいところでもあります。親が子どもの頃に習った解き方と、いま塾や学校で教わっている解き方が違うこともあれば、教えているうちに親のほうが熱くなって、子どもが黙り込んでしまうこともある。親子だからこそ、言い方がきつくなってしまうのです。これは親の教え方が悪いのではなく、親子という関係が、教える・教わるに向いていない場面があるということだと思います。

家庭でできる手当ては、分からない問題で止まり続けない仕組みをつくること。

印をつけて飛ばすことには、逃げているように見えて抵抗を感じる親御さんもいらっしゃいますが、解き方を知らない問題の前で30分座り続けるより、印をつけて次の問題に進み、印のついた問題をあとで教わるほうが、その日の家庭学習はずっと前に進みます。「分からない」と言えることは、家庭学習を回すための大事な力です。

8. 間違えたあとで止まる子には

丸つけでバツが続くと、子どもの機嫌は目に見えて悪くなります。解き直しを促すと、「もう分かってる」「ケアレスミスだから」と返ってくる。そのまま赤ペンで答えを写して終わり、という形になっているご家庭も多いのではないでしょうか。

間違えたあとで止まる子には、間違いを三つに分けて見ることをおすすめします。計算や写し間違いのような「うっかり」なのか。問題文を読み違えた「読み違い」なのか。そもそも「解き方を知らない」のか。この三つは直し方がまったく違っていて、うっかりなら、まずどこで間違えたかを本人と確かめ、同じミスが続く場合は、途中式の書き方や見直し方も見直す。読み違いなら、問題文のどこを読み落としたかに線を引く。解き方を知らない問題なら、前の章の「聞く先」に回すしかありません。

ここで大事なのは、三つ目を「ケアレスミス」にまとめてしまわないことです。答えを見て「ああ、そうか」と思えた問題でも、次に似た問題が出たときに自分で解けるとは限らない。解き直しは、その日のうちではなく、数日あけてからもう一度やってみると、本当に解けるようになったかどうかが分かります。丸つけを誰がするか、どこまで親が関わるかについては、家庭学習がすぐ終わるときの記事でも触れていますので、あわせて読んでみてください。

そしてもう一つ、バツの数より、直した数のほうを見てあげてほしいところ。「今日は三つ間違えたけど、二つは自分で直せたね」。保護者調査で、子どものよいところをほめて自信を持たせる関わりが、子どもの非認知スキル(学力以外の力)と関係していたのを思い出してください。間違いを直せたことを認めてもらえる子は、次の日もまた丸つけに向き合えます。

9. 親が引き受けること、手放してよいこと

ここまでの話を、親の役割として整理し直してみましょう。

親が引き受けたいこと手放してよいこと
始める時刻と量を、前の日に子どもと決める当日に、何をするかを一から指示すること
テレビを消すなど、始めやすい環境を整える勉強している間、ずっと横で見張ること
分からない問題を聞く先を、一緒に決めておく解き方を、親が全部教えようとすること
何のために勉強するのかを、ときどき話す毎日「勉強しなさい」と繰り返すこと
直せたこと、続けられたことを認めるバツの数で叱ること

表の内容は、左から親が引き受けたいこと・手放してよいことです。この記事の内容をもとに編集部で整理しました。

左の列は、前の日に5分話す、テレビを消す、聞く先を決める、たまに「何のためにやっているんだろうね」と話す、直せたことを一言認める、と、どれも時間のかかることではありません。一方の右の列は、親が毎日たくさんの時間と気力を使ってきたことかもしれない。右を手放すと、左に使える余裕が生まれます。そして、その余裕が家の中の空気をやわらかくしていく。

見張るのをやめたらさぼるのではないか、教えるのをやめたら分からないままになるのではないか、と手放すのに勇気がいるのはもっともなことで、だからこそ、手放すのは一度に全部ではなく、一つずつで構いません。まずは、いちばん揉めている場面を一つだけ選んで、そこを手放してみて、一週間たって、子どもの様子がどう変わったかを見てから、次を考えればいいのです。

10. スマートフォンと動画は、親子で決める

家庭学習がうまくいかない話をすると、たいてい話題にのぼるのが、スマートフォンやゲーム、動画の話です。令和8年度の全国学力・学習状況調査の結果では、SNSや動画視聴等の利用時間が長い児童生徒ほど、各教科の正答率・スコアが低い傾向が見られた、とまとめられている。

ただ、ここでも、時間が長いから成績が下がるのか、勉強が分からないから画面に逃げているのかは、数字だけでは分かりません。取り上げれば勉強するようになる、とは限らない。分からない問題の前で止まっている子からスマートフォンを取り上げても、止まる場所はそのまま残ります。

文部科学省は、ゲームなどについて「親子のルールづくり」を勧めています。決めるときのコツは、いつ使うか、どこに置くか、勉強の前か後かを親が一方的に決めず、子ども自身に案を出させて、守れなかったときにどうするかまで一緒に決めておく。自分で決めたルールは、親に決められたルールより守りやすい。始める前で止まっている子の場合は、勉強が終わるまでスマートフォンを居間の決まった場所に置いておく、というルールだけで、始めやすさがかなり変わることもあります。

11. それでも進まないとき、誰と一緒にやるか

ここまでの手当てのうち、始める時刻と量を決めること、環境を整えること、間違いを三つに分けること、ルールを親子で決めることは、ご家庭で進めていただけるものです。一週間の「止まった場所」のメモがあれば、どこから手をつけるかも見えてくるでしょう。

一方で、分からない問題の前で止まっている場合は、ご家庭だけで抱えるのが難しくなってきます。通っている塾の先生に、印をつけた問題を聞けるなら、まずはそれがいちばんです。塾は多くの生徒に向けて幅広く教えているので、一人ひとりの「止まる問題」までは追いきれないこともありますが、それは塾の良し悪しではなく、役割の違いだと思います。どの形の問題で止まっているのかを、答案を見ながら一つずつ確かめていくことが必要なら、一対一で見る意味が出てきます。

登録している教師

近畿で中学受験の指導実績がある教師:23名

うち8名は、灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校の合格者を指導した実績があります。学生講師は在籍していません。高校受験や、ふだんの家庭学習の立て直しのご相談にも対応しています。ご希望の内容については、学年や必要な指導内容、教師の担当状況を確かめたうえで、ご案内できる教師がいるかをお伝えします。時期や条件によってはご案内できない場合もあります。
在籍状況は時期により変わります。担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。

関東エリアの登録教師:11名

ご相談は、学年、通っている塾、ふだんの家庭学習の様子、最近のテストや模試の結果から始められます。一週間の「止まった場所」のメモがあれば、どこで止まっているのかを一緒に確かめ、家でできることと、教わったほうがよいことを分けていきましょう。資料がない場合は、まず様子をうかがうところから始めます。ご相談だけで終えていただいても構いません。

家庭教師を検討される場合は、プロフィールを見て教師を指名していただくことも、ご相談のうえで当ネットワークからご案内することもできます。初回1時間の体験授業は無料で、面談と同じ日に行います。体験は何人の教師でも受けられますが、1人ずつ順番で、次の教師の体験に進むと前の教師にはご依頼いただけなくなります。指導料は教師ごとに決まっていて、1時間3,500円〜7,000円。指導した時間分と交通費を月末に教師へ直接お支払いいただく形で、入会金や教材費、解約金はかかりません。詳しくは費用についてと授業開始までの流れにまとめてあります。

ここまで読んで、どれが近いですか

家庭学習について、よくうかがうのがこの5つです。当てはまるものはありますか。

  • 分からない問題の前で止まり、家では教えきれない答案から、どの形の問題で止まっているかを確かめ、解き方を一つずつ渡していきます。
  • 親が教えると、どうしても言い合いになる教える役を外に出して、親は始める時刻と量を決める役に回る形を一緒に考えます。
  • 毎日やっているのに、テストで同じところを落とす間違いを三つに分けて、解き方を知らない問題がどこにあるかを確かめます。
  • 家庭学習がどこで止まっているか知りたいこの記事の第5章のメモで見分けられます。相談は不要です。
  • 始める前で止まる子への手当てを知りたい第6章と第9章にまとめています。

学年と、ふだんの家庭学習の様子だけでもお話をうかがえます。

それでも、一度お話を聞かせてください

止まる場所は見えてきたけれど、分からない問題の前で止まっていて、家ではどうにもならない。親が教えると、また言い合いになってしまう。そういうことがあるかもしれません。

家庭学習がうまくいかないのは、親の関わり方が足りないからとは限りません。解き方を知らない問題の前で止まっているなら、そこを渡せる人が一人いるだけで、家庭学習の時間はまた前に進みはじめます。

学年と、通っている塾、ふだんの家庭学習の様子をお知らせいただければ、どこで止まっているかを一緒に整理します。答案やノートの写真があれば、止まっている問題の形もあわせて見ます。

ただ、お話だけで成績の見通しまでは判断できません。いまの塾と家庭学習で対応できそうなら、そうお伝えしますし、ご相談したからといって、その場で家庭教師の利用を決めていただく必要はありません。

力になれることがあるなら、なりたいと思っています。

合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件や地域によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。

この記事で扱っていないこと

この記事では、学年ごとの家庭学習の時間の目安や、教科ごとの勉強法には触れていません。使える時間はご家庭ごとに違いますし、同じ学年でも、止まっている場所によってやることが変わるからです。発達の特性や、学校に行きづらい状況などがある場合の家庭学習についても扱っていません。そうした場合は、学校の先生や専門の相談窓口と一緒に考えていただくのが確かです。この記事でお伝えしたかったのは、時間や量を決める前に、止まる場所を見つけるという順番のほうです。

まとめ:止まる場所が分かれば、打つ手が決まる

この記事の要点

  • 家庭学習がうまくいかない原因は、やる気より「止まる場所」で見る。始める前、分からない問題の前、間違えたあとの三つ
  • 勉強時間や計画と正答率には関係が見られるが、報告書は相関であって因果ではないと明記している
  • 保護者調査の分析では、勉強をみる、計画的に勉強するよう促す、何のために勉強するかを話す、努力の大切さを伝える、といった関わりが、学力の高い家庭に多い傾向として挙げられている
  • 「勉強をみる」が「親が全部教える」になって揉めているなら、みる中身を、止まる場所に合わせて変える
  • 始める前で止まる子には、時刻と量を前の日に一緒に決め、最初の一問を解ける問題にする
  • 分からない問題の前で止まる子には、印をつけて進み、聞く先を決めておく
  • 間違えたあとは、うっかり・読み違い・解き方を知らない、の三つに分けて直す

今日できること

今日から一週間、子どもの家庭学習が「どこで止まったか」を、一日一行だけメモしてみてください。始める前か、分からない問題の前か、間違えたあとか。叱るためではなく、見つけるためのメモです。一週間分が並んだとき、どこから手をつければいいかは、たいていそのメモが教えてくれます。

よくある質問

Q 家庭学習がうまくいかないのは、やる気がないからですか。
A やる気だけの問題とは限りません。始める前で止まっているのか、分からない問題の前で止まっているのか、間違えたあとで止まっているのかで、原因も手当ても変わります。一週間だけ、どこで止まったかを一日一行メモしてみると、手をつける場所が見えてきます。
Q 勉強時間を増やせば、成績は上がりますか。
A 全国学力・学習状況調査では、勉強時間が長い児童生徒ほど正答率が高い傾向が見られますが、報告書は相関関係であって因果関係ではないと明記しています。分からない問題の前で止まっている子は、時間を延ばしても止まっている時間が延びるだけになりがちです。まず止まる場所の手当てをしてから、時間や量を考えるのがおすすめです。
Q 親が横について勉強をみたほうがよいですか。
A 保護者調査の分析では、「普段、子供の勉強をみている」家庭で子どもの学力が高い傾向があったとされていて、勉強をみることには意味があります。ただ、これは相関の分析で、親が横について教えれば成績が上がるとまでは言えません。報告書は、計画的に勉強するよう促す、何のために勉強するかを話す、努力の大切さを伝えるといった関わりにも目を向けているので、教えることで揉めているなら、みる中身を止まる場所に合わせて変えてみてください。
Q 親が教えると、いつも言い合いになります。どうすればよいですか。
A 親子という関係は、教える・教わるに向いていない場面があります。解き方を教える役は、塾の先生や学校の先生、家庭教師など外に出して、親は始める時刻と量を決める、分からない問題を聞く先を決める、直せたことを認める、といった役に回ると、家の空気がやわらぐことが多いです。
Q 分からない問題で止まったら、どうさせればよいですか。
A 少し考えて進まなければ、印をつけて次の問題に進むようにします。印をつけた問題は、誰に聞くかを前もって決めておき、教わったあとに似た問題をもう一度自分で解き直します。解き方を知らない問題の前で長く座り続けるより、その日の家庭学習はずっと前に進みます。
Q スマートフォンやゲームは取り上げたほうがよいですか。
A 令和8年度の全国学力・学習状況調査では、SNSや動画視聴等の利用時間が長い児童生徒ほど正答率・スコアが低い傾向が見られました。ただ、取り上げれば勉強するようになるとは限りません。いつ使うか、どこに置くかを子どもと一緒に決め、守れなかったときのことまで話しておくと、ルールが続きやすくなります。
Proチューターズネットワーク 編集部
中学受験を専門とするプロ家庭教師マッチングサービス「Proチューターズネットワーク」が運営する受験情報メディア。高校受験・大学受験にも対応しています。兵庫・神戸を拠点に、関西の受験情報を保護者の方に向けて発信しています。

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