結論:相性は「観察ポイント」で見極める
どれほど実績のある講師でも、わが子と合うかどうかは別問題です。そして相性は、プロフィールの経歴や面談の第一印象ではわかりません。実際の授業——つまり体験でしか確かめられないのです。
ただし、ただ受けるだけでは「なんとなく良かった」「感じのいい先生だった」で終わってしまいます。それでは判断材料になりません。シリーズ最終回の本記事では、体験を準備・観察・振り返りの3段階で使い切り、相性を根拠を持って見極める方法をご案内します。
なぜ体験が重要か——1対1は相性の影響が最大
第2回で見たとおり、家庭教師は「誰に教わるか」の影響が最も大きい形態です。だからこそ講師を選べる自由度が強みになるのですが、その自由を活かすには、選ぶ目が要ります。
ここでいう相性は、好き嫌いの話ではありません。「講師の説明の組み立て方が、その子の頭の使い方と噛み合うか」という技術的な適合です。図で理解する子に言葉だけで説明する、結論から知りたい子に長い前置きで教える——どちらも講師は誠実でも、噛み合っていません。
経歴や合格実績は、「過去の、他のお子さんとの」成果です。参考にはなりますが、目の前のわが子との噛み合わせは、実際に教わる場面でしか見えません。だから体験なのです。
体験前の準備——手ぶらで受けない
体験の質は、準備で決まります。次の3つを用意してください。
- 直近のテスト・模試の答案を用意する(点数の報告ではなく、答案そのもの)
- 「解けなかった問題」を2〜3問選んでおく
- 第1回で整理した「目的」を一言で伝えられるようにしておく
なぜ答案そのものが要るのか。体験は「授業を受ける場」であると同時に、「講師の診断力を測る場」だからです。答案には、どこで・どうつまずいているかの情報が詰まっています。
材料を渡すほど、講師の力量——第5回で見た設計力・診断力——がはっきり見えます。第5回の質問リストも、この場で使ってください。
体験中に親が見る4つのポイント
体験中、保護者が観察すべきポイントは次の4つです。
①問いかけているか
一方的に説明し続けるのではなく、「どこまでわかってる?」「どうしてそう考えたの?」と、お子さまに考えさせているか。指導の主役がどちらにあるかが表れます。
②原因を掘っているか
間違えた問題に対して、正解の解き方を教えて終わりにしていないか。「どこでつまずいたのか」を特定しようとする動きがあるかどうかが、診断力の有無を分けます。
③子どもが話せているか
お子さまが自分から質問できているか。表情がこわばっていないか。沈黙があっても、それが「考えている沈黙」なのか「固まっている沈黙」なのかを見てください。
④授業後の分析が具体的か
「頑張ればできるお子さんですよ」は、誰にでも言えます。「割合の基本の理解が抜けているので、まずそこから2週間で立て直しましょう」——このような原因と道筋のセットで語れるかどうかに、経験の蓄積が表れます。
まだ申し込む段階ではない、という方へ
お子さまの学年と、いま気になっていることを一言だけお送りいただければ、ご返信します。お申し込みフォームのご入力は必要ありません。ご相談だけで終わっても問題ありません。
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体験後に子どもへ聞くこと
体験が終わったら、お子さま自身の感覚も確かめます。ここで質問の仕方に一工夫が要ります。
「わかりやすかった?」は、避けたい質問です。子どもは気を使って「うん」と答えやすく、情報になりません。代わりに、次のように聞いてください。
- 「今日、何ができるようになった?」——内容を自分の言葉で説明できるかで、定着がわかる
- 「またこの先生と勉強したい?」——理屈抜きの温度感が出る
- 「聞きたいことは聞けた?」——遠慮や緊張の有無がわかる
お子さまの答えと、保護者が観察した4つのポイントを突き合わせる。両方が揃って初めて、根拠のある判断になります。
合わなければ変更する——遠慮は要らない
体験や初期の授業で「合わないかもしれない」と感じたとき、「せっかく来てくれたのに悪い」と続けてしまう——これも、とてもよくある心理です。
合わないまま続けることは、お子さまにとっても、実は講師にとっても不幸です。相性は受けてみないとわからないものであり、変更は誰の落ち度でもありません。変更できる仕組みが用意されているサービスなら、遠慮なく使ってください。そして、変更のしやすさ自体を、サービス選びの段階で確認しておくほうが確かです。
なお、契約期間や金額によっては、法律上の解約ルールが関わる場合もあります。国民生活センターの公表によれば、契約期間が2か月を超え、契約金額が5万円以上の場合は特定商取引法上の「特定継続的役務提供」に該当し、契約書面の受領日から8日以内であればクーリング・オフができます。期間が過ぎた後も、解約料を支払うことで中途解約は可能です。契約前に、こうした制度の対象になるかどうかも確認しておくと安心です(詳しくは国民生活センターの案内ページをご覧ください)。
当ネットワークでは、無料体験授業を受けたうえで判断でき、講師の変更は無料、入会金・解約金もかかりません。「試して、合わなければ変える」を負担なく繰り返せる形にしているのは、相性が結果を左右することを知っているからです。
まとめ:シリーズを終えて
全8回のシリーズを、一枚にまとめます。まず目的と子どものタイプで考える(第1回)。3つの形態の構造を知り(第2回)、塾と個別指導塾でつまずきが生まれる仕組みを押さえる(第3・4回)。
講師は肩書ではなく3つの要件で定義し(第5回)、任せる科目(第6回)と動く時期(第7回)を絞る。そして最後は、体験で相性を確かめる(第8回)。
正解はご家庭ごとに違います。ただ、判断の物差しは共通です。この8本が、お子さまの学習環境を考えるときの物差しとして手元に残れば、これほど嬉しいことはありません。
「うちの子の場合は?」と具体的に相談したくなったら、いつでも無料の教育相談からお声がけください。ここまで整理してきた物差しを使って、一緒に考えます。
シリーズ「塾と家庭教師の選び方」全8回
体験授業は、教師を選ぶ場であると同時に、ご家庭が判断材料を集める場でもあります。合わないと感じたときに、そう言っていただける関係のほうが、結局は長く続きます。
中学受験の指導実績がある教師
23名が登録しています
うち8名は、灘・甲陽学院・東大寺学園・洛南・西大和学園・大阪星光学院・神戸女学院・四天王寺などの最難関校に生徒を送り出した指導実績を持っています。学生講師は在籍していません。
在籍状況は時期により変わります。担当できる教師がいるかは、教育相談フォームからお問い合わせください。
それでも、一度お話を聞かせてください
チェックポイントを読んで、「実際に体験してみないと分からない」と感じられたかもしれません。
そのとおりで、相性ばかりは会ってみないと判断がつきません。だからこそ、体験のあとで断りやすい形にしておくことが大切だと考えています。
学年と、いま気になっていることを一言いただければ、どういう教師と会ってみるとよさそうかを整理してお返しします。体験を受けたうえで見送られる場合も、それで構いません。
シリーズをここまでお読みいただき、ありがとうございました。
合格や成績の伸びをお約束することはできません。ご希望の条件によっては、お引き合わせが難しい場合もあります。
体験授業を受けたうえで、家庭教師が要らないと判断されたときは、そう言っていただいて構いません。